ベトナム南北バスの旅－ダナンのビーチと五行山

2011年 8月 17日。

電車の遅延でかなりの時間をロスしたものの、結果としては、一日でかなり見どころを回れたフエ。

本当は観光スポットだけじゃなく、旧市街の街も歩いてみたかったのですが、そこまでの時間がとれないままダナンに移動する時間になりました。

もとは南北統一鉄道で移動するつもりだったのだけど、昨日 8時間も遅れた鉄道にまた乗る気になれず、急遽、バスにすることに。

フエのアンクー・バスターミナルから、ダナン行きのローカルバスに乗車しました。

マイクロバスを使ったこのバス、道端で待っている人がいればどこでも拾って、座席はもちろん、それ以外の場所にもパンパンに人を乗せていきます。だから大混雑なんですが、みんな譲り合ってなごやかに乗っているんですよね。（下の写真はまだ空いている頃）。

で、わたしはというと、ダナンまでの 2時間半、若い車掌の男の子が笑顔で乗客や荷物をさばいていく様子に、とにかく目を奪われていました。

ドアが開きっぱなしのバスに乗り降りしながら、ぎゅうぎゅうのバスにテキパキとイスを用意して（どこかからかプラスティックや金属の椅子や箱を出してきて）座らせ、みんなの荷物を、他人の足元やバスの後部やあらゆる場所に押し込んで収納し。

もう、ほれぼれするような手際の良さ！

実はこのベトナムのバスの車掌さんの仕事ぶりは、ちょうど旅行中に読んでいた沢木耕太郎のベトナム旅行記「一号線を北上せよ」で読んでいたんです。そっちはハノイからホアビンへのバスなんですけど、想像でしかなかったそのバスの様子を実際に経験できて、なんだか嬉しかったな～。

ダナンのバスターミナルに到着。すでにもう暗い。

タクシーで、ダナンからやや南へ移動したノンヌォック・ビーチにあるリゾートホテルへ。

暗いなか、ホテル内を歩いてみました。真っ暗な暗闇の向こう側は、海！

ベトナムは国土の片側が海に面した国。せっかくなので、ビーチぞいのホテルにも泊ってみようと思って、ダナンのビーチに 2泊することにしたんです。

まわりになーんにも無いホテルだったので、ホテル内のレストランで食事。

予約する前に読んだホテルのレビューでは「レストランがマズい」と散々書かれていたのですが、夜だし土地勘もないし。

オーダーしたのはインドネシアの料理「ナシゴレン」と、カエルの足のフライ。

ナシゴレンのご飯がやわらかくて、あんまり美味しくなかったです。

泊ったお部屋オーシャンビューで広々と過ごしやすかったですが。

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2011年 8月 18日。

少しゆっくりめに起床。

部屋から見えたのは、曇った空と、白っぽく煙る海。今日も天気は悪そう。

チェーン系のホテルだったので、朝食バイキングのメニューはそこそこ充実していました。

午前中はホテルでゆっくり本を読んだりして過ごし、昼過ぎにダナンの中心部までタクシーで移動。ホテルからは 30分くらいかな。

ダウンタウンを少し歩いてみました。海が目の前。

思っていた以上に小さい町だった。路上に「子犬の屋台」が出ていたのにはビックリ！

お昼に立ち寄ったのは、中心部にある「Mi Quang ミー・クアン」。

ダナン名物のヌードル「ミー・クアン」の専門店です。

地元の人でとても混み合っている店内。

メニューもベトナム語のみ。「ガー」がチキンなのは知っていたので、なんとかオーダー。

スープが少なめのうどんのような麺に、ハーブや野菜を盛って、ライムを絞って食べます。

讃岐ぶっかけうどん的な感じ！野菜が多くてサッパリでした。

再びタクシーに乗ってホテルに帰る途中で、大理石でできているので「マーブルマウンテンズ」とも呼ばれる 五行山 に立ち寄りました。ダナンの数少ない観光地のひとつ。

海岸線からすぐの平地に、ニョキっと唐突にそびえる 5つの山で、古代の東洋哲学で宇宙を作ると思われていた 5つの要素（金、木、水、火、土）をそれぞれの名前に持っています。

わたしがのぼったのは水山（トゥイソン）。

山のなかにはお堂やお寺がたくさんありました。200年前にミンマン帝王が訪れた際、山、洞窟及びお寺などすべてに名前を付けたそう。

山には洞窟がたくさんあって、それぞれが宗教的な祠として使用されています。

いくつか入ってみましたが、暗くてちょっと怖かった。

水山で一番大きな洞窟。

お寺のお堂では犬が眠っていました。狛犬にはさまれて、気持ちよさそうに。

なんかね、五行山にのぼっているとき、「江の島みたいだな」と思いました。海があって、小高い山があって、寺があって、観光地化されていて。

山を降りるときに「なんとかパゴタ（パゴタとは何重にも重なった構造の仏塔のこと）」と書いてあるほうに降りていくと、どんどん人が少なくなって、最終的には誰もいない山の裏側にでてしまいました。そこにはなにやら気持ちの悪い塔や恐ろしい像、ヘビに支えられた石棺のような奇妙なオブジェなどが所狭しと置かれていて、なんだかものすごく怖かった。

あれは一体なんだったのか。薄気味が悪くて、急いでその場を離れたのですが、山の裏側だったので、ホテルに戻るのが大変でした。

それにしても、「五行山」といえば、「西遊記 / 孫悟空」ですよね？

「西遊記」のなかでも、お釈迦さまが 5本の指を金、木、水、火、土の五連山に変え、「五行山」と名づけたと書かれていましたし。

また、ここダナンを含む中部ベトナムは、かつてベトナムが中国に支配されていた時代に国境だった地域なので、西遊記で五行山のことを「世界（中国）の果て」であり、「この山の先は妖怪の済む異界」と位置付けているのは興味深いです。もしかして孫悟空が飛んできたのはここだったのかも？

…でも実際には、三蔵法師の歩いたルートを考えると、あり得ない話。名前を付けたミンマン帝が「西遊記」から取ったというのが有力な説か。

汗びっしょりになってホテルに戻ったら、すぐにシャワーを浴び、プールでしばらくゆっくり泳いでクールダウン。

夜になってから、再びダナンのダウンタウンに向かいました。

ピンク色で綺麗な教会は、フランス統治時代に建てられたダナン大聖堂。