ヨーロッパ鉄道の旅 - 教会へ行こう | * たびばな * 旅好き女子のあちこち歩き

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主に鉄道でヨーロッパ34カ国、世界57か国をぐるぐると駆け回り、とにかく歩き回った、充実した旅の記録です。いろんな人に出会ったり、いろんなものを食べたり、旅のワクワクを少しでもおすそ分けできれば嬉しいです。持ち物やルート、予算についても情報いっぱい。

わたしはクリスチャンではないけれど、教会を見に行くのが大好き。

 

もちろん、観光の目玉になるような古くて大きな教会も好きなんだけど、地域の人たちだけが来るような小さな教会もいい。

(むしろ、絢爛豪華な教会よりも、質素で地味なくらいのもののほうが素敵なことも)。

 

 

なんていうか、あの静かでしんと涼しい空気、気持ちが鎮まるような空間が好きなんですね。

 

それに、たくさんの美しいもので飾られていたりするし。

(教会というよりは美術館、なんていう感じの教会も少なくないし、人々の善意の献金がこういう 「美術品 (財産)」 になるわけぇ?と興ざめすることも)


でも、今でこそ、教会の中の 「装飾品」 になっている絵画も、もともとは、文字を読める人が少なかった時代に、聖書の物語や教えを伝えるために飾られたもの。ステンドグラスのひとつひとつも、聖書の場面や登場人物を描いたものだし。

 

 

 

そういう中から、美術品としての価値の出たものがいままでずっと保護され残ってきて、私たちの目に触れることができるんだから、それはそれで素晴らしいことなのかなとも思います。


 

ひととおり、中をぐるりと見て回った後は、ベンチに座ってぼーっとしていたり、天井を見上げてみたり。(そもそも建築物として美しいものが多いし、天井の装飾もとてもきれい)。

 

 

 
 

 

 

装飾的なことでいうと、大きくて有名な教会のほうが見ごたえがあったりするけれど、町のちいさな教会の居心地の良さもいいものです。

 

 


旅の途中、こういう小さな教会で、ぼさーっと座って、人生についてふと考えてみたり。


 

クリスチャンじゃないので、ミサ中は遠慮せざるを得ないこともありますが、時には「えいや」っと、参加してしまうことも。(小さい教会だと逆にしにくいですが)。

 

大きな教会だと、正装した牧師さんが出てきておごそかに行進する様子もおもしろいし、聖書の朗読や、歌のように響くさまざまなやりとりも美しい。

 

聖歌隊が歌う賛美歌も、パイプオルガンの音も好き。参加者が起立して一緒に歌う場面もあって、音楽や外国語、違った文化に興味がある人なら、楽しめるんじゃないかと思います。

 

 

 

↑クリスマス前の教会で、賛美歌練習中の聖歌隊

 

教会の入り口に書いてあるミサのスケジュールを見て、時間が合いそうだったら、一度くらい参加してみるのもいいかもしれません。

(ただし、フラッシュたいたり、おしゃべりしたり、邪魔になるような行為はしないで!)

 

ミサに限らず、教会ではときどきクラシックなどのミニ・コンサートが行われていたりして、音楽が好きな人にはなかなか素晴らしい劇場なのです。無神論者のわたしにも恩恵にあずからせてくれる教会は太っ腹です。(こういう言い方は宗教的には不謹慎かもしれないけれど)。


 

現代のようにエンターテインメントがそこらじゅうにあふれていなかった時代には、美しい建築を見るため、美しい絵を眺めるため、美しい音楽を聴き、大勢集まって歌を歌うために、人は教会に集まったのかもしれません。

 

「学ぶ場所」「祈る場所」だけではなく、「楽しむ場所」としての側面があって、そういうものが、教会が信者を集めることに一役買っていたのでしょうね。

 


豪華で美しい教会は、街の観光の目玉だし、入場料を取られるような教会も少ないくありません。観覧順路が決まっていて、地図を片手に、有名人の墓碑とか、美しい礼拝堂を順に見て回って見学するようなね。

 

だけど。 ひょこっと入ってみることのできる町の教会では、人々の信仰がいまだ息づいていて、夕方なんかは、経済新聞片手に入ってきた立派な黒いコートのビジネスマンや、買い物帰りの普段着のおばさんなんかが入ってきて、さっと何気なくひざまずいて十字を切っていく。

 

そういう中に座って、見えることのないものを感じてみるのは、なかなか得難いものです。