アブシンベルからアスワンに飛行機で戻るとバスでの移動になります。写真はアスワンハイダムを見学のためにちょっと止まった時のもの。このアスワンハイダムがエジプト全土の電力を供給しているとか。
次の目的地はイシス神殿。
イシス神殿はナイル川の中のアギルキア島にあります。もともとイシス神殿はフィラエ島という別の島にあったのですが、ここもアスワンハイダムの建設に伴って水没するこになり、現在のアギルキア島に移築されました。その際アギルキア島をフィラエ島に似せたというだけあってアブシンベル神殿とは違い違和感なく神殿は建っています。ちなみに、フィラエ島はイシス神がホルス神を産んだ島ということで「聖なる島」その美しさから「ナイルの真珠」と呼ばれています。
船着場からフェリーで向かいます。
ナイル川をしばらく遊覧していると見えてきました。
エジプトの神殿はいくつかの時代にまたがり増築が繰り返されています。このイシス神殿は古代エジプト(ラムセスの時代)~プレトマイオス朝(クレオパトラの時代)~ローマ支配時代にかけて建設されています。
島に上陸してまず見えてくるのは第一塔門。
イシス神殿のあったフィラエ島はイシス神がオシリス神との子ホルス神を産んだ場所ということで、その神話に関するレリーフが数多くあり美しいことで有名です。お腹の膨らんだイシス神、お乳をあげてているイシス神などなど珍しいレリーフがあります。
下はラムセス二世がイシス神に捧げものをしているところ。
美しい列柱。
ローマ時代、トラヤヌス帝のキオスク。キオスクって「地下鉄の売店」としか知りませんでしたが「四角いもの」という意味らしいです。
この日最後に向かうのは切りかけのオベリスク。
オベリスクとは「串」の意味。
オベリスクはパリのコンコルド広場やバチカンのサンピエトロ広場のものが有名です。ダン・ブラウン著のダ・ヴィンチ・コードにも出てきましたね。ロンドンやニューヨークにもあります。それらがエジプトから来ていたとは!知らなかったのは私だけですかね?
もともと古代エジプトは太陽信仰が強くピラミッドがその象徴でした。しかピラミッド建設は国を挙げた一大事業で大変であったためクフ王のピラミッドを頂点にピラミッド建設は次第に衰退していきます。代わりに登場したのがオベリスクということです。だからオベリスクの先端は四角錐(ピラミディオン)でありピラミッド型なのです。そしてこの形は太陽の光の筋を表しているそうです。
現在エジプトには数本のオベリスクしか残っておらず、残りは後世に他の国々に持っていかれてしまったようです。
この切りかけのオベリスクがなぜ切りかけかというと、途中で飽きてしまったから・・・ではなくヒビが入ってしまったから。完成していれば一番大きなオベリスクとなったはずでした。
オベリスクは硬い花崗岩の一枚岩から作られることが多いのですが、どのように石を切り出していたかというと・・・岩を削りくぼみを作り、そこに木の楔を挿して水を流し込み、木の膨張する力で岩を割るというものでした。根気のいる作業です。さらに切り出した岩をナイル川に乗せて運んでルクソール神殿とかに建てるわけですから・・・大変。
観光客からエサをもらえるからか沢山の野良犬がいました。かわいいけど、こわくて触れない(涙)シッポが切れている犬がいたりして、きっとケンカして噛まれちゃったんだー(涙)と野良の厳しさを実感。エジプトは野良犬が本当に多かったです。
ここでこの日の観光は終了。3ヶ所しか行っていないのにクタクタになりました。ホテルはナイル川の中の島に建っているので、ファルーカという昔ながらの帆船に乗って向かいます。
風次第なのでこの日はかなりゆっくりでした。もうちょっと風を切って進みたかったのですが、気持ちよかったでーす。