「明日9時半に大学集合ね。」
あ・・・
メールきた。ちょっと喜んでる私ってみじめ。
「了解。明日晴れるといいね。」
よし
返信は淡白に。決してうかれた様子はみせないで。
「明日は絶対晴れるよ。おやすみ。」
おうちゃんのメールはいつも短い。
晴れた。
薄っぺらい雲が広がるいわゆる秋晴れの日曜日に私たちは野球観戦にでかけた。
男四人に女一人の女は私で、世間から見ればそこそこ容姿の整った長身の男ども四人を見上げるのは悪い気はしないな。別に気持ちよくもないけど。
それにしてもなんで男はみんな野球が好きなんだろう。
元高校球児でもないくせに
あたかも元高校球児のように熱くなって、そう暑苦しい。
そして私をかまってくれないこの状況がちょっとさびしい。
野球にヤキモチを焼く女って、意味不明だけどみじめだわ・・・・
男四人の中に私がたまに混ざって遊んでる理由は
彼らいわく
「ねー、みーはいつやらせてくれるのー?」
「順番待ちだよ、おれ一番ね」
「おれ二番でいいよ、おうちゃんが一番仲良しだもんね。」
「おれはそんながっついてないから、三番で。」
「・・・」
ああまた始まった。
この人たちもおんなじ話を何度もするんだから。
「しないよー。しなくても仲良くしてよ。」
「えーいつかやらしてくれるっていう希望があるから仲良くしてるんだよ。そうじゃなきゃ女となんて遊ばなーい。」
まぁいいや。ほっとこう。
中身のない会話ってむなしいけど楽ちん。
それにもうなんか
私の胸の中はぐちゃぐちゃで頭の中もこみこみで
考えて話すのなんておっくうになってくる。
思い出すのもおっくうなんだけど
嫌でも思い出してしまうのは、となりにおうちゃんがいるからだ。
おうちゃんは四人の中でも一番背が高い。
大きな手は白くて血管が浮き出てて、いかにも男ってかんじがする。
この大きな手が、私の体中を雑巾がけでもするみたいな強い力で這い回って
いつのまにか二人は裸で
そう
おうちゃんとはすることはしてしまったのだけど、まだみんなには言ってない。
あれは先週の木曜日
世界が終わったと思った。
それか、世界が終わりそうって思った。
その世界の終わりのぎりぎりのところで電話した相手がおうちゃんだ。
「別れた・・・別れた・・・報告しろって言われたから報告するけどさっき陽と別れた・・・もう・・・もう・・・」
まさか自分がなくなんて思ってなかったんだけど、もう止められない。
「どこ?家?ひとり?今すぐいくから。」
5分後に本当にかけつけたおうちゃんにびっくりして私は涙が止まってしまった。
「なんだ、ぜんぜん平気そうじゃん、つまんないの。」
この男はとてつもなくSなのだ。彼氏と別れて一時間と経ってない弱ったあたしにこんな言い草をするのはこの男くらいだろう。
「平気じゃないよ。平気なわけないよ・・・」
ほんとに平気じゃなかった。息が苦しくなってきた。まただ・・・やばい。ビニール袋・・・
最近くせになってしまった過呼吸というやつの予兆を感じて青ざめた私に気づかない彼。
そして
気づかないがゆえの
キス
キス
キス
キス
キス
朝
歯を磨く私のとなりに歯を磨くおうちゃん。
あーあ
ともだち一人失くしちゃった。
それとも
セックスフレンドっていうのに進化したのか
いや、退化かも。
とにかく
もうおうちゃんには頼れない。
会いたいのに会えない。
「会いたい」なんていったら
「やりたい」って言ってると思われちゃう。
だから男と女はめんどくさいんだ。
でも今私は
おうちゃんに会いたい。
やりたいんじゃなくて会いたい。
一人で眠れない私のことを病的だと言う彼に
泣いてすがって
一緒に寝てほしいと本気で願ってる。
たしかに、病的。