家出した夜。 | 言葉と想いを紡ぐ人・渦巻マキの、日々のおはなし。

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どこにでもいるフツーの主婦。でも、他の誰ともちがう「わたし」という存在。そんなわたしが紡ぎ出す言葉が、どこかにいる、誰かの心に届くかもしれない。誰かの想いと、響き合うかもしれない。だから、今日もこうして書いている。

あっという間に4月でーすオエー


このシリーズ、まだ書き終わっていませんでしたー。









4月に入り、

いろいろ生活の変化もあり、

バッタバッタしてました魂が抜ける



もうだいぶ前のことで、

自分の中では旬を過ぎた話題って感じではあるのだけれど煽り

この話に関しては、一応終わりまで書きたいと思っているので、

ぼちぼちな更新にはなりますが、

よろしければお付き合いいただけたらありがたいですにっこり



続きです。



ネットで検索して、親子3人で泊まれるホテルを見つけたわたし。



朝起きて、ぼんやりしながらも、

いつもどおり、準備をして、

いつもどおり、子どもたちを保育園へ送っていく。



園へ向かう車の中で、長女に切り出した。



「ねぇ?


今日、とうちゃんお仕事で、帰ってくるの遅くなるんだって。


だから、特別にさ、3人でどこかお泊まりしに行こうか?」



夫の帰りが遅くなるというのは、もちろん嘘だ。


でも、まさか本当のことは言えないし、

やっぱり、子どもたちにとっては、

「ちょっとしたおたのしみ」っていう雰囲気にしたかった。



長女は無邪気に、


「え!?ホテルに泊まるの?

イエ~イルンルン


って、喜んでた。



その顔を見て、少しホッとした。



その日はパートの日で。


仕事をしながらも、ずっとそのことを考えていた。



もし、本当にこの思いつきを実行するなら、


帰ったらすぐに、荷物を準備しなくちゃならない・・・。


子どもたちの着替えや、オムツ。


あんまりたくさんだと大変だから、パジャマは1着。着替えも2セットまでにしよう。


コインランドリーだってあるし、昼間に着替えを取りに家に戻ることもできる。

大丈夫だ。


スマホの充電器も買ったほうがいいかもしれない。


何日泊まることになるか、わからないから。。



でも。。


どうなるのかな・・・??


怖いよ。



怖いけど、やろう。



だって、


わたしたち夫婦は、


もうずっと、うまくいってなかったんだよ。



ずっと、本音で話すなんて、できてなかったし、


なあなあで、大事なことをちゃんと話してこなかった。



子どものことや、日々の何気ないことも、

もっと話したかった。

わたしの思っていること、考えていることを、伝えたかった。



少なくとも、


わたしは、今、この関係にわだかまりを感じている。


そのことは、やっぱり伝えなくちゃいけない。



それで、夫がどう感じるのかは、分からないけど。。


まずは、わたしの気持ちを伝えないことには、


この関係を、変えていくことはできない。


わたしは、変えたい。


 



仕事が終わって、家に帰った。



わたしは、震える指で、昨日検索したページを開き、


表示された電話番号にかけた。


とりあえず、1泊。


宿泊予約はあっさりととれた。



そこまでしてしまえば、覚悟も決まった。


淡々と必要な荷物を準備して、大きなバッグにつめた。




子どもたちを迎えに行き、


そのまま、スーパーに車を走らせた。



夕飯は、スーパーのお惣菜。


なんでも好きなものを食べよう、と話して、

からあげや、おにぎりや、

おやつやジュースも買った。



そして、そのまま宿へ。



母親と、子ども2人。


住所も車で15分ほど。


不思議な客だったろう。




でも、もちろん何を聞かれることもなく、チェックインを済ませた。



部屋に入って、

やたら大きな荷物をおろして。



夫にLINEした。



「昨晩のあなたの態度が、あまりにも怖くて、ショックだったので、

今晩は、わたしたちは家にいません。


今は話したくないので、また落ち着いたら話がしたい。」


そんなふうに。



「宣戦布告」


わたしにとっては、そういうイメージだった。





それから、3人でごはんを食べた。


お風呂に入る前に、わたしがタオルやパジャマを準備していると、


長女が次女の服を脱がせてやって、かいがいしくお世話してくれていた。


ふたりでユニットバスの中で、熱いシャワーにキャーキャー言いながら遊んで。


わたしは、狭いユニットバスで子どもたちの髪や体を洗ってやりながら、気持ちを和ませた。




お風呂からあがって、


髪を乾かしていると。




夫から、LINEが来た。


「ショックを受けさせてしまって本当にごめん。

頭をガンガン壁に打ったことは覚えているけど、そのあと何て言ったか本当に覚えて

いない。

気持ちが落ち着いたら教えてほしい。

帰ってきてほしい。」

 


拍子抜けした。



わたしの決死の行動の意図が、


夫にしっかり伝わったように思えた。


ホッと、安堵した。

 


聞いてもらえる。


これでやっと、わたしの気持ちを、聞いてもらえる。


これでやっと、向き合える・・・。





その後、テレビを見るともなく見てボーッとしていると、


長女が言った。


「なんか、かあちゃんつかれてるね。」



わたしは、なんとも言えない気持ちになった。


彼女なりに、いろいろと感じ取っているんだなぁと。



「そうだね。ちょっと疲れてるかも。

今日は早く寝ちゃおう〜ニコニコ








ベッドに横になり、家から持ってきた絵本を読んだ。



ゴロゴロしながらおしゃべりして、

長女におやすみを言う。



次女は、いつものとおり、抱っこして寝かしつける。



「おうちにかえりたい〜」


そう言ってぐずる次女。



そうだよね。。


なんか、ヘンだよね。


分かるんだよね、きっと・・・。




明日は仕事が休み。


ゆっくり、夫に伝えたいことを整理しよう。


今日はもう、寝よう。


わたしも、休まなくちゃ・・・。




その日は、ホテルのパリッとしたシーツの間で、

親子3人で身を寄せ合って、早々と眠った。




続きます。