偉人の子供時代の習慣を深掘りする–その42「子供時代のトラウマとの向き合い方」 | 問題意識の教材化(MIK)ブログ

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今の「学び」を「〇〇のため」で終わらせずに、「〇〇とともに」にしていくために、問題意識を教材化して、日本の教育システムで閉ざされたものを開き続けます。



5月28日の一読は第5章の続きで「幼少時代のトラウマが極度の「男らしさ」願望に―――ヘミングウェイ」までです。この冒頭で著者は次のようなことを書いています。

「子供をどう育てるかは、親の裁量に任される。子供はそれにたいして何も言うことができない し、どう育ててほしいか、かりに親からたずねられても答えることはできない。まだ世の中のことは何も知らないし、ましてや、どのような育て方があるかということも知らないからである。 そもそも、子供にどう育ててほしいかなどと訊く親はいないだろう。結局のところ、親は自分の好きなように子供を育てるのであり、その良し悪しの結果が出たときには、もう取り返しがつかなくなっているのである。その結果をふまえて、子供は生きていかねばならない。」(195ページ)


考えてみたら、なかなか恐ろしいことです。誰もが経験する子供時代を自分ではない人物たちに委ねなければいけないからです。もちろん愛情を持って育ててくれるケースがほとんどだと思いますが、そうではないケースもゼロとは言い難いですし、親の愛情も方向性を間違えると危ういものがあります。


子供時代に親の行動でトラウマになった事例として、著者はアーネスト・ヘミングウェイを紹介していました。ヘミングウェイの母親は自分の子供を女の子のように育てていた時期があって、そのことがトラウマになったヘミングウェイは極度の「男らしさ」を追求するようになったようです。


今回の「悪い習慣」は本人の意思とは関係ないところでしたが、それでも根深いものであれば、十分に悪影響を及ぼすことに気づかされました。