偉人の子供時代の習慣を深掘りする–その39「子供時代のトラウマ」 | 問題意識の教材化(MIK)ブログ

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昨日の一読は第5章の続き、「親の何気ない行為がもたらした悲劇――カフカ」までです。著者は子供時代に親から受けた心の傷、トラウマをもった人物としてフランツ・カフカをあげていました。たしかに、カフカ著の『父への手紙』をみると、カフカがトラウマに苦しんでいることはよくわかりました。


ただ、そのトラウマを生んだ父親の行為は恒常的なものでも、非常識なものとも呼べないもので、父親からすると何気ない行為が子供のカフカにとって衝撃的だったということは無視できません。

このケースの場合、カフカの父親は本当に悪かったのかということが気になりました。もちろんカフカが言葉にしていないだけで、もっとひどいことをしていたのかもしれませんが、文字で確認する限り、極端な行動は見受けられませんでした。


どんな行為が子供の心を傷つけるかは事前にはっきりとわからない以上、親が子供をどれだけ信じているかが基本的に大事で、その信頼を子供自身がいつ、どのように気づくかが決定的だと実感しています。「なぜ親はこんな行動をするのだろう」と子供は思うこともあるかもしれませんが、ある時、ふと「わかる」瞬間がくることはけっこうあると思います。その瞬間が来るまで親は多くを語らず、見守れるかは子供の自立心を育む上で重要だと思われます。


カフカの場合は、どこまでいっても、父親の立場で考えずに、子供の頃見た理解できない対象としての父親像を払拭できなかったことが一番悲しいことだと感じました。