今日の一日一読は第一章の最後までで、佐伯先生による本章のまとめがありました。本章はかなりのボリュームがありましたが、内容が濃くて、気づきが多かったです。特に、「ものごとは見方しだいである」(87ページ)という考えを経営の世界に持ち込んできて、客観性が尊ばれがちな中、むしろ主観性を重視した論点が興味深かったです。
本章を締めくくるにあたって、佐伯先生が取り上げたのは「マネジメントとリーダーシップ」です。一般的に両者は一応区別があるようですが、現場レベルではマネジメントとリーダーシップの両方が求められる実態もあります。
そんな中で、佐伯先生は「ことばは名づけ」という主張でもって、両者の概念的な差異にはあまり注目していませんでした。
「本書では、マネジメントを、「課題形成」「課題共有」「課題解決」の三つの要素によって説明しました。この中の「課題形成」は、まさに「何をやるべきかから考え始めること」ですから、本書におけるマネジメント観は、リーダーシップということばが指すものと同じ範囲をカバーしています。」(88ページ)
特定のことばが何を指すかは本来固定化されていないので、そこに固執せずに、相手の世界観や問題意識をどう受け止めていくかが重要だという点に大いに共感できました。