今日の一日一読は第一章の続きで、「第三者の観点」までです。佐伯先生がここで示してくれたのは、組織人が職場の問題を考える時に出てきそうな認識のパターンでした。それが「第三者の観点」(53ページ)で、聞こえはいいですが、組織社会では有効ではないことがきちんと説明されていました。
この第三者の観点は、わかりやすくいえば「評論家」の観点であって、当事者意識のない概念整理に終わる傾向があるものです。これを組織人が自然としてしまうとすれば、その原因の根源を探れば、間違いなく学校教育の影響があるはずです。
学校、特に大学において知識先行で、問題解決をはかる癖をつければ、社会人になっても同じ思考になることはいなめません。ただ実際にこの思考が役に立たないことがわかっていても、なぜしてしまうのかという問題を真剣に考えていかないと感じています。
誰もが評論家的に、問題を論じるだけであれば、自分自身への精神的な苦しさが回避される傾向があることを佐伯先生はきちんと考察していたので、参考になりました。