今日の一日一読は第4章「長安の一年」の「1 入唐受法の動機・目的」まででした。これを読んでいて改めて驚いたのは、空海がなぜ中国に行ったのかがはっきりしていないということです。
著者がいうように、密教を受け継ぐということは結果論であって、行く前から動機としてはっきりしていないことは明らかです。
私自身は、言い伝えの域は出ないものの、前後の流れからみても大日経をより深めたいという動機で中国に行ったとみるのがシンプルだと感じています。
著者が支持していた武内氏の結論もそれを読む限り、かなり曖昧さを含んでいる表現だと思ってしまいました。入唐に関してはどのような動機だったかを明らかにするよりも、実際にどうだったのかに関して深めていくことが肝要だと感じています。