空海の生き方を深掘る-その3「空海が求めた大日経」 | 問題意識の教材化(MIK)ブログ

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昨日の一読は前回の続きで、今回は唐にいく前のエピソードとして有名な久米寺のことを取り上げたいと思います。松長先生が取り上げていた回顧文の続きには、若き空海が道に迷って涙を流しながら

「その熱い心がついに仏菩薩に通じて、密教の経典に出会うことができた。ところがその内容がよく理解できない。そこでこの疑問を解消するために仏教の本場の中国に行きたいと望んだところ、天がその願いに応じて幸い入唐できて、すばらしいお師匠さんと出会うことができた。」(102ページ)

と書き残していたようです。


松長先生によれば、「入唐以前に久米寺において『大日経』と出会ったという伝承は、この述懐から生まれたとみてよい」(同上)そうです。


この久米寺は「久米の仙人」で有名です。



もし言い伝えが正しくて、若き空海が夢の中で、大日経が久米寺にあるというお告げを聞いたとしたら、とても興味深いです。特に悩み続けるのではなく、行動を起こしたという点がポイントだと感じています。そして、大日経を読んでもよくわからないから本場の中国に行こうとする決心を固めたこともすごいことです。