今日の一日一読は第二章「悪としての人間の存在」の一つ目、29ページまででした。章のタイトルがかなり重めな感じですが、いきなり本質に迫る感じが逆にいいと思っています。
「人は生まれてから、七つの敵にあう・・・。病気、飢え、裏切り、嫉妬、欲、老衰、それから死・・・」(28ページ)
手塚さんはここでいう「敵」は「人の心の中に住む「苦」であるといいかえられる」(29ページ)と書いていますが、そもそもこれらの苦しみをわざわざ敵と表現する必要があるのかという疑問はあります。敵と見做せば、闘う必要が出てくるからです。
しかしあえてそういうことで、苦しみとの向き合い方がより深くなる可能性はあると思います。七つの苦しみは誰でも直面するはずで、その時にどう振る舞うかで、自分の中の「悪性」が強まっていくのだと思います。
ブッダのように生きることで、「悪性」には対処できるかもしれませんが、ただ単に「悪」を消せば「善」になるのかというと、そうとは言えないと思います。この後の手塚さんの展開が楽しみです。