なぜこのような言葉が使われてなくなってきたのかというと、山下さんは次のように書いています。
「情報が発達して、簡単に広く行き渡る時代、とりたて遍くなどという必要もなくなったということでしょうか。」(210ページ)
言われてみれば、わざわざ「遍く」という言葉を使わなくても、ネット社会では瞬時に広まっていくことが当たり前になっています。逆に限られたものを見出すことの方が難しいと言えます。
人間社会では「遍く」ということを気にしなくなってきたとしても、天地自然は人間の行いとはお構いなしに「遍く」働いていることには間違いないです。