一日一語で季節を感じる(3月14日)「遍く」 | 問題意識の教材化(MIK)ブログ

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今の「学び」を「〇〇のため」で終わらせずに、「〇〇とともに」にしていくために、問題意識を教材化して、日本の教育システムで閉ざされたものを開き続けます。

今日の一語は「遍く」でした。すみずみまで行き渡ることを指すこの言葉は、山下さんによると、かろうじて使われているようです。もともと「遍し」の連用形であったのが「遍く」でしたが、今ではこの「遍く」だけが残っているからです。たしかに「遍し」という言葉は古文でしか見られなくなっています。

なぜこのような言葉が使われてなくなってきたのかというと、山下さんは次のように書いています。
「情報が発達して、簡単に広く行き渡る時代、とりたて遍くなどという必要もなくなったということでしょうか。」(210ページ)

言われてみれば、わざわざ「遍く」という言葉を使わなくても、ネット社会では瞬時に広まっていくことが当たり前になっています。逆に限られたものを見出すことの方が難しいと言えます。

人間社会では「遍く」ということを気にしなくなってきたとしても、天地自然は人間の行いとはお構いなしに「遍く」働いていることには間違いないです。