「そいつぁやりすぎなんじゃねぇか?おっさんたちよう。」
煙をぶわっと吐き、棒のようなものを肩にかけながら言う。
「なんだてめぇは!邪魔するんじゃねぇよ!!」
強い口調で切っ先をその青年に向ける。
「おいおいこんなもん向けんなよ。危ねぇし。めんどくせぇことは嫌いなんだよ俺は。」
また煙草の煙を吐く。ただ、今度は警備兵にかかるようにである。
激昂したようにてめぇ!!っと切りかかると
さっと横に避け、すたすたと旅人に歩み寄る。
警備兵が白目をむいて倒れた。
周りの集団が、え?という顔をしていると
青年は旅人に手を差し伸べる。
「大丈夫かいあんた。」
笑顔を向け、旅人を起こす。
周囲の人々同様なにが起こったのかわからず呆然と
その青年をじっと見つめ続けていた。
そうしていると、後ろにいた数人の警備兵が剣を抜いた。
旅人を下がらせ、やれやれといった面持ちで
「めんどくせぇなぁ…さっきの見えたか?見えてないならやめとけ。」
と、煙草を吐きながら言う。
「意味わかんねぇこと言ってんじゃねぇ!!」
一斉に残りの警備兵が向かってくる。
「めんどくせぇ…」
最初の一人に煙草を口で飛ばし、ひるんだところを足払いして転ばせる。
その後の警備兵たちの斬撃をすいすいと避けていった。
転んだ警備兵が起き上がると、残りの兵は皆倒れていった。
新しい煙草に火をつけながら、ゆっくりと兵に近づき
肩にポンっと手を置く。
「まだやるかい?」
煙を吐きながら声をかけると
悲鳴のような声を挙げて逃げていく。
「おいおい、仲間置き去りかよ…」
苦笑いをすると周囲から歓声が挙がる。
そして青年を囲み、賞賛する。
その賞賛を照れ笑いをしながら手で制し、
「とりあえず腹減ってるから飯食わしてくれないか?」
と、腹の音を鳴らしながら言う。
今度は笑い声を挙げ、奢らせてくれと方々から上がり
青年たちの集団は酒場に入っていった。
ルークはただ呆然として、口を開けて見ていると
「ね!大丈夫だったでしょ!」
と先ほどの女性がニコッと笑う。
「君も一緒に来ない?中は楽しそうよ?」
酒場の中からは先ほど同様に笑い声が聞こえてくる。
騒ぎの前は暗い雰囲気だったのが嘘のようだ。
少しもじもじしながらついて行った。
この出会いが、のちの戦いへの幕開けとなる出会いだとは
ルークは考えもしなかった。
続く