夜の7時には日が落ちるようになると


昼間の暑さを忘れるような風が吹く


少し冷たい風が髪を撫でていく


稲穂が小さく揺れている



秋の香りが混ざり始める夜の風


貴方と過ごした夏の夜


風が吹けば消えそうな思い出


夏風はもう吹かない




少し遠くに行ってみよう


街の灯かりが小さくなるような場所へ


向日葵が悲しそうにうつむいている


蝉の声がどこかで聞こえる



少しずつ近づいてくる秋の足音


また貴方に会える日


暑くても離さなかった手


夏風はもう吹いていない