ずっと昔、子供の頃に聞いたおとぎ話


最初はただ切なくて


幼いながらに泣いていた


今は、自分と登場人物が重なって見える



月の影をぬっていく


少しずつ銀のかけらをこぼしながら


すべてを空に広げたら


そこで終わってしまう


おしまい、おしまい



会えない、そうわかっているから会いたくて


好きで好きでたまらなくて


その身体を傷つけながら飛んでいた


涙が、月を水面に映したように揺らす



月の影をぬっていく


少しずつ自分の姿を失いながら


会いたいだけなのに


会えずに終わってしまう


おしまい、おしまい・・・