何のためには僕は歩き続けるのだろう


新しかった靴はボロボロになって擦り減って


真上に輝いていた太陽は海に沈んでいく


秋桜が風に揺れている



冷たい風の中握り続けた手


寒さに負けないように何度も強く握りなおした


寒いねというたびに白い息が出たけれど


君の手の温かさをしっかりと感じられて嬉しかった




今にも消えそうな夢を拾い集める


両手いっぱいに集めて広い夜空に広げれば


寂しい夜空を埋める星々になる


君の髪が揺れている



二人並んで歩いた道


夜空に浮かぶ月灯りを頼りにして散歩をした


君が僕の顔を覗き込みたびに恥ずかしかったのは


今こうしていられることが何よりも幸せだと思えたから