君と過ごした眩しい季節

二人の一生の思い出になるように

そう思うと、握りしめた手は離せなかった

夕闇が僕と君を隠すまで一緒にいよう


楽しい時間(とき)が過ぎてしまえば

あとは苦しいことだけが残っている

幼い僕らはそう思っていた

本当は楽しいことと苦しいことが不規則に巡るんだ

季節の中で僕らは大切な時間(とき)を過ごすんだ

君と過ごした夏、僕は忘れることはない

忘れるもんか



線香花火のような夏の終わり

またどこかで出会えますように

そう思うと、線香花火が悲しく儚げに見えて

最後のこの瞬間に涙を見せそうになった


苦しい時間(とき)を過ごさないと

楽しいことはきっとやってこない

幼い僕はまだ知らなかった

瞼(まぶた)の裏側にたくさんの思い出が広がった

季節の中でまた夏に出会えることを信じている

君と過ごした夏、忘れることのないたからもの

忘れないよ


また会おう

きっと、きっと・・・

約束だよ

僕は、僕は・・・

さようなら

風に秋の匂いがした

そして、君は遠くに行ってしまった



二人でずぶ濡れになった突然の雨

木陰で食べたアイスクリーム

嬉しそうに微笑んでいた君

君は最後の最後のまで僕に涙を見せまいと微笑んでいた

でも、別れが近づくと瞳(め)から溢れ出した涙が頬を伝っていった

君と過ごした夏、忘れることのないたからもの

ありがとう