2010年 ポルトガル制作
1908年生まれの巨匠、マノエル・デ・オリヴィエラの100歳の記念すべき
作品
19世紀のポルトガルの文豪、デ・ケイロスの短編小説が原作
時代的にゲーテの時代
ある会計士の青年が、隣の家の窓で中国の扇をもった、麗しい女性に恋に落ちる
![$こみたんの映写会](https://stat.ameba.jp/user_images/20110929/14/miicyann-0324/1d/2f/j/t02200148_0273018411514814062.jpg?caw=800)
紹介者を通じて叔父の反対も乗り越え求婚にいたるも、
ある事実が発覚しその恋が破綻する
妻にも親友にも話せないことは見知らぬ人に話せという
箴言に従い列車で隣あった夫人に
打ち明けばなしを始める
原作を尊重しながら、現代的な脚色をほどこしています
64分という短編ながら、画面から格調高さが漂ってきます
リスボンの街を捉えた朝焼けや、レトロの色合いの高い調度品
石造りの街並みと石畳の美しさがとてもいい
そして青年の心を一目で捉えた、ルーイズの艶やかな髪と、
濡れたような瞳が際立って印象的
特に扇の動かし方がエレガントでした
![$こみたんの映写会](https://stat.ameba.jp/user_images/20110929/14/miicyann-0324/fc/86/j/t02200134_0288017511514814063.jpg?caw=800)
マカリオも恋に情熱的な青年を好演
けれど19世紀のお話を現代に置き換えただけに
結末が途中でわかってしまうし、現代では衝撃的な終わりではありませんでした。
ブロンド少女は過激ではありませんでした
ただラストシーンのセリフがなく、椅子の座り方で少女の内面を描写しているのは見事でした
ポルトガル文学の至宝
ペソアの詩、ハープで奏でるドビュッシーのアラベスクが美しく
時を告げる鐘が心地よく
物語に派手さは無いものの、静かで趣きがありました