クリスマスに関する記事が続きましたが、私自身はサンタを信じたことはありません。
それについては昨年書きました。
こんなふうに考えていましたが、他の方とのやりとりで、時代的なものもあったのかと思いました。それで、日本にサンタはいつ頃入ってきたのかな、と調べていたら、一番古そうなサンタが出てくるお話がこれでした。
国会図書館のデジタルコレクションで読むことができます。
サンタクロース、ではなく さんたくろう ですが、明治33年の出版です。
中に描かれている さんた はこんな感じ
なぜかツリーを持ってサンタは歩き、プレゼントはロバが運んでいるようです。
ストーリーは、
ある親子が雪に埋もれた旅人を助け、旅人のお礼の申し出を固辞し 神様にお礼を と言って帰します。翌年の春その父親が病に倒れ死を覚悟するほどでしたが、秋の終わり頃にはよくなりました。半年ほど働くことができなかったので、クリスマスが近づいても子どもにプレゼントも買えない、と父親は申し訳ない思いで子どもに 来年は買ってやるから と言うと、子どもは 何もいらない と答えて眠ります。その後、あの旅人が一緒にクリスマスを祝おうとたくさんのプレゼントを持ってやってきます。そして、子どもへのプレゼントを寝ている子どもの枕元に並べて
誠に関心な子でありますから此の贈り物をあげます
北国の老爺 三太九郎
などと書いた手紙を置いていきます。朝起きた子どもは大喜びで
クリスマス万歳!三太九郎万歳!
と叫びます。
なんだか かさじぞう のようなお話。しかも、サンタの正体は助けた旅人、って、今の子どもたちには聞かせられないお話ですね。
人助けをすればいいことがある、という昔話のようなもので、子どもに夢を与えるようなお話ではなかったようです。
けれど、クリスマスなのにプレゼントも買ってやれない、と明治33年にはそれほどクリスマスが広まっていたのか、と驚きました。
そのわりに 北国の老爺 三太九郎 ってどうなのかと思いますが…。
お子さんのいる方は、今年のクリスマスイブは
北国の老爺 三太九郎
でいかがでしょうか。
クリスマスの朝には
三太九郎万歳‼︎
というお子さんの叫び声が…聞けないと思いますが(笑)


