みなさま、こんにちは。
日英メディカルライター&英語スピーキングコーチの
バーンハード美保子です。
12/6日に行われたGeorgia州の runoff(決選投票)ですが、
Raphael Warnock(民主党)上院議員が再選しました。
年末に向けてメディカルライティングの仕事の納期が重なり、
時間的にあまり余裕がない状態なのですが、
当日は選挙の結果が確定するまではどうも落ち着かず、
仕事の合間にテレビで開票状況を確認していました。
そして、EST(東部標準時)の22時30分頃までには
メディア各社が当選確定を発表しました。
その後、仕事を終え、勝利演説を観ました。
アメリカの政治演説上、歴史に残るような素晴らしい演説でした。
演説を観ながら涙が出てきました。
それは、彼がこう述べたときです。
"I want to say, I wanna say thank you to my mother
who is here tonight.
You'll see her in a little while.
But, she grew up in the 1950's in Waycross, Georgia
picking somebody else's cotton and somebody else's tobacco.
But, tonight she helped pick her youngest son to be a Unitied States Senator."
(開始から4:00分頃です。)
1950年代は、まだ Jim Crow Laws* 制定中の時代です。
*Jim Crow Laws:1876年~1964年まで続いた人種差別的内容を含む
アメリカ(Georgia州を含む)南部諸州の州法の総称で、
公共機関や交通機関などの利用で白人と(主に)黒人を分離する政策
彼の母は Jim Crow Laws の下、
白人の経営するプランテーションで
綿やタバコ(葉)を摘みながら育ちました。
そして、1950年代から約70年後、
彼の息子は2020年にGeorgia州から
初のアフリカ系上院議員として選ばれました。
ただし、Jim Crow Laws が廃止されたとは言え、
アメリカには現在もまだ
systemic/institutional racism
(制度的/構造的人種差別)が残っています。
彼の2020年のGeorgia州からの初当選は、
そんなアメリカの歴史的観点からも、
とても感慨深いものでした。
英語学習でこのような演説を聞くとき、
演説者の国の歴史や演説者自身の背景も知ると、
演説内容の理解が深まり、述べられた言葉の重みが一層感じられ、
印象に残るものになりますね。
Warnock上院議員が生まれ育ったGeorgia州 Savannahです。