「有頂天作家」
〜恋ぶみ屋一葉2020〜


東京だけでなく大阪も含めて全日程が
中止となってしまいました。

チケットを買って楽しみに待っていて
くださった皆様、本当にごめんなさい。

1月16日にお稽古が始まったときには
まさかこんなことになるなんて
思ってもいませんでした。

私たちだけでなく世界的に見て
今は日常を少しお休みして
自分や大切な人を守る時期。


仕方がない判断だと思っています。



松竹の制作のみなさまも
最後までどうにか上演できないか模索してくださいました。大阪の松竹座ではセットが組まれ照明合わせもされて、いつでもお稽古できる状態にしてくださっていました。感謝です。


しかし、コロナウイルスは
私たちの想像を遥かに超えて
大切な人の命を次々に奪っていきます。
命だけでなく平穏な日常を脅かしています。


命さえあれば
健康でいられれば

私たちにはまた演劇ができる。


少しお休みして
エネルギーをためて
キャストスタッフもそして何より
楽しみにいらしてくださるお客様が
いつか安心して思いっきり演劇を楽しめる日がくるのを待ちたいとおもいます。



お客様には見ていただくことができなかったこの作品。本当にステキな作品でした。





明治時代に口には出せない
秘めた想いを持ち
強く生きた女性たち。

言いたいことをすべて言えるわけではなかった
あの時代だからこその情緒は台詞だけでなく
セットや照明や小道具でも表現されていて

それでいて

ミュージカルのような
歌のシーンもたくさんあり

前向きな気持ちで
劇場を後にしていただけるような作品です。


私演じる桃太郎も、
その時代だからこそ反対されていた
芸者と書生の卵(草助)との恋愛に一喜一憂。
言葉にならない想いの美しさ、
信じることの大切さ、
儚さを感じる日々でした。


渡辺えりさんとキムラ緑子さんと
3人で歌わせていただけた歌は、宝物。

たくさん練習した影山拓也くん(草助さん)とのデュエットも、みなさまに聞いていただきたかったなぁ。

どれも
甲斐正人先生のステキなオリジナル曲です。



舞台はお客様に見ていただいて初めて完成する。


それをこれほど実感したことはありません。

そしてお客様からいただく拍手で幕が閉じ、
キャストスタッフお客様の心に生き続けることで
昇華されるもの。


つまりこの作品自体も
演出家の作品への想いや
我々の役へ対する想いも
今は行き場のないまま彷徨っています。

この想いをきちんと胸に留めておいて

いつでも演じられるよう
準備を続けていたいと思います。

「再演したい!」

ご自身が執筆したこの作品への愛が溢れている
演出の斎藤雅文さんの下、

誰一人、ネガティブなことを言わなかった
尊敬できる素晴らしいこの同じキャストで
ぜひ再演したい。みんな同じ気持ちです。

「信じていれば、必ず道は開ける。」(劇中、渡辺徹さん演じる涼月が桃太郎に言う台詞です)


お客様にも
待っていていただけたら、、幸いです。



私たちがしてきた稽古は無駄ではない。
お着物の所作、歌、お芝居、
共演者との日々。
何度も初日が延びたこと
それを受け止めて稽古を続けたこと。

どれも
確かに得たありがたい経験です。


この経験をいつか活かせるよう
日々精進します。


プライベートでは

コロナウイルスで娘と外出自粛。

この経験も貴重な経験と捉えて
前向きに考えるしかありません。

ないものではなく、あるものを工夫して
生活する。

できないことではなく、できることで
楽しむ。


本当に大切なものを今一度再確認して
大切なものをちゃんと大切にしたい。


本当に不安定で先が見えない時期ですが

どうかみなさまもご自愛くださいませ。



この時も、必死に自分だけでなく誰かのために働いてくださってる方がたくさんいらっしゃること。
心から感謝します。




長々とすみません。

いつも応援いただき有り難うございます!!


くれぐれも
ご自愛くださいませ!!