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【第2話】
広場で見かけた男の子が森の方で行かないか心配になったアリスは、男の子を追いかけて村のはずれの守衛さんに声を掛けました。
アリス「ごめんください」
守衛さん「ん?どうしたんだいお嬢さん」
アリス「こちらに私と同じくらいの青い服を着た男の子が来ませんでしたか?」
守衛「男の子?いやぁ~見てないなぁ。君のお友達かい?」
アリス「いえ、私も初めて見る子だったので…」
守衛「ふむ…。わかった、私の仲間にも話しておこう。」
アリス「ありがとうございます。」
アリスは守衛さんにお礼を言うと森の方へかけて行きました。
アリス「…やっぱり森の奥に行っちゃったんだわ。急いで追いかけないと!」
村はずれにある深い森。
【これより先、未開拓地のため近づかないように - 村長 -】
アリス「…って、おふれは書いてあるけど…」
アリス「あの子どこ行ったのかしら…?」
アリス「まだお昼すぎなのにこんなにも暗いなんて…」
アリス「日が暮れたら全然まわり見えなくなっちゃうわね…急ぎましょ!」
しばらく進んだところで何か動くものを見つけました。
アリス「やだ…イノシシとかじゃないわよね…?」
アリスはおそるおそる近づいてみるました。
アリス「…!見つけたっ!あの子だわ!」
アリスが声をかけようとしたとき、男の子はまた走り出しました。
アリス「ちょっと!まってー!」
男の子「急がなきゃ…!」
男の子「時間に送れちゃう!」
アリス「はぁ…!はぁ…!こんなに走りにくいのに、あの子なんて早いのかしらっ!まるで野ウサギね!」
アリスは一生懸命走りましたが、茂みをかき分けたあたりで再び男の子を見失ってしまいました。
息を整え、あたりを見回しましたがどこにも男の子は見当たりません。
アリス「ふぅ…仕方ない、一度戻って大人の人を呼んでこよう…って、あれ?ここどこ?」
アリス「ちょっと…やだ…帰り道わかんなくなっちゃった…」
ぽつ…ぽつ…
アリス「なによー!雨まで降りだしたじゃない!」
アリスは慌てて倒れた木の空洞へ走りました。
アリス「はぁ…私のバカ。なんで目印付けて行かなかったのよ…。」
しとしと…サァーっと雨の音だけが空洞内に響きます。
アリス「…くすん。おうち、帰りたいよぉ…。」
アリスは青い瞳に涙を浮かべながら、ひざを抱えて一人ずっと泣いていました。
--- 第3話へつづく ---