ここは優しいラベンダーの香り包まれたとある村の広場。
???
「うーん!今日もいいお天気♪読書をするにはもってこいだわ♪」
さらさらとした金髪に透き通るような青い瞳。
空色のフリフリドレスを着た可愛らしい女の子が焼きたての香ばしい香りのパンと古ぼけた分厚い本を持ってやって来ました。
お母さん
「アリスー!お夕飯までにはちゃんと帰ってくるのよー?」
アリス
「はーい♪」
アリス
「お母さんの焼きたてパン♪お外で食べるととっても美味しいのよねー♪」
アリス
「いっただきまーす♪」
アリス
「うーん♪おいひぃー♪やっぱりお母さんの焼きたてパンは最高ね!」
アリスは口いっぱいにパンをほおばりながらランチタイムを楽しみました。
アリス
「ああ美味しかった♪さてと、昨日お父様の書斎にあったこの本…。ずいぶん古そうだけど、いったいどんなお話しが書いてあるのかしら♪」
パラ…
アリス
「…難しい字が多いわね…。でも所々挿絵もあるしなんとなくわかるかも♪」
うららかな昼下がり、アリスは黙々と本を読み進めました。
ピチチッ♪ピチチチッ♪
小鳥のさえずりと、ページをめくる音だけが聞こえる広場にどこからともなく足音が聞こえてきました。
???
「ハァ…!ハァ…!急がなくちゃ急がなくちゃ!」
アリスはふと声のする方に目をやると誰かが目の前を走り抜けていくのが見えました。
アリス
「誰だろう?この村じゃ見かけない子ね…。」
???
「ハァ…!ハァ…!急がないと…時間に間に合わないっ!」
アリス
「ねぇ!ちょっと君!そんなに急いでどこ行くのー?」
アリスの声が聞こえてないのか男の子はそのまま走り過ぎて行きました。
アリス
「確かあっちは深い森になってたはず…。大変!あの子が迷い込んだら一大事だわ!」
アリスは男の子を呼び止めるため後を追いかけました。
--- 第2話へつづく ---