本日は根本裕幸先生のお弟子たちが、お悩みにお答えする『無料お悩み相談・ココロノマルシェ』に参加します!

 

 

本日のお悩みは、こちらです。

 

~他人といると体がこわばる  いずみさんより~
ご相談文

『ココロのオフィスの皆様、いつも回答を読ませていただいて、励みにしております。

20代のいずみと申します。

わたしは、人と関わるのが好きです。
でも、他人と2人きりになるのが怖いです。

複数人だと自由にしゃべれても、2人になった途端、体がこわばり、脇腹が刺すように痛くなります。
とくに相手があまり話さない子の場合、緊張してから回ってしまいます。

 

友達と2人きりでもいつも通り気楽に振る舞いたいし、恋人のような親密な関係性も築けるようになりたいです。今まで付き合った人は、遠距離の人と、会えない人でした。
 

母親は何かあると周りを責める、愚痴不平不満をわたしにぶつける人です。
弟も、わたしを母代わりにしていて、わたしに毎日愚痴や、ストレスをぶつけてきます。

ネガティブな気持ちをぶつけられるのが本当にしんどくて、その時もお腹が痛くなったりするのですが、どうしても無視することができずに、正面から受け止めてしまいます。


どうすれば、家族や他人と関わるときの痛みや、恐怖を癒やせるのでしょうか』

 

 

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いずみさん、こんにちは。メンタルコーチのミハルと申します。
今回はご相談いただき、ありがとうございます。
『対人関係のお悩み』ですね。これは深いお悩みだとお察しします。

ご相談文でも、

>わたしは、人と関わるのが好きです。
でも、他人と2人きりになるのが怖いです。

と真逆の内容がでています。いずみさんのお悩みの大きさが分かる文章ですが、どうじに、いずみさんは問題点のありかをわかっておられるんだなとミハルは思いました。

ご自分でも、長い時間をかけて考えられてきたんでしょう。

人間は、怖いと思うことは避けて通りたいのがふつうです。なのに、あえて問題と向き合ってきたところに、私はいずみさんの強さを感じます。とても聡明な方だと思うんですよね。
何よりも粘り強く、我慢強い方だとお察しします。

そんないずみさんだからこそ、この問題も乗り越えていけると思うのです。


今回は、上記のお悩み2点に集中してみましょう。

①いずみさんは人と関わるのが好き
②にもかかわらず、他人と二人きりになるのが怖い・家族のネガティブな感情をぶつけられると痛みを感じる

私がいずみさんとリアルなセッションをする場合は、ここで

>2人になった途端、体がこわばり、脇腹が刺すように痛くなります
>ネガティブな気持ちをぶつけられるのが本当にしんどくて、その時もお腹が痛くなったりする

というところから、次のような質問をすると思います。

「お腹が痛くなったりするのは、いつごろから始まりましたか?」
「ご友人と二人きりでいるときの痛みと、お母さま、弟さんと接しているときの痛みは似ていますか、違う感じがしますか?」
「恋愛で、遠距離の人や会えない人を選んでしまうのは、何か理由があると思いますか?」

とくに「いつごろから腹痛などの身体症状がでるようになったのか?」については、じっくりとお伺いしたいところです。
同じタイミングで実生活においても、体に影響が出るほどの大きなストレスがあったような気がするからです。

とはいえ、ここではこれ以上の情報は得られませんから、一般論として進めさせていただきますね。

①『人が好きなのに、対人関係で脇腹が痛む』のは、場を盛り上げねばならぬ!という責任感からでは?

私は、ご相談文にあるこの文章に注目しました。

『グループで話していると平気だが、ふたりきりになるとお腹が痛くなる』
『相手があまり話さない子の場合、緊張してから回りする』

ここから、私はいずみさんのなかに『場を盛り上げる強い責任感がある』と思うんです。

複数で話しているときは、別にお腹が痛くなることもない。それは『みんなで、場を盛り上げている』からじゃないかなと思うんです。
グループで話しているとき、場を盛り上げる責任は、いずみさんだけにかかってきません。
でも友人と二人になると、いずみさんは『私が会話をつながなきゃいけない』と思うので、空回りするのかもしれないですね。
そして責任感のあまり、腹痛まで感じるんじゃないでしょうか。

ひょっとすると、いずみさんのなかでは
『二人きりになる=相手がどんなネガティブなことを話しても受け止めなきゃいけない』というパターンが出来てしまっているのかもしれません。
このパターンは、お母さまや弟さんから受けるストレスとよく似ていませんか?

いずみさんは、体が『もう無理、お腹が痛くなっちゃう!』と叫んでも、相手の感情を受け止められる人です。
言ってみれば、わが身を削ってでも人にやさしくできる、愛情ふかい人だと思うんです。

>ネガティブな気持ちをぶつけられるのが本当にしんどくて、その時もお腹が痛くなったりするのですが、どうしても無視することができずに、正面から受け止めてしまいます。
 

という文章にも、いずみさんの愛情の深さが出ていますね。
でも実際に腹痛が起きると、身体的にもつらい。
だからいずみさんは無意識のうちに『だれかと二人きりになるのはやめよう』『恋愛をするにしても、関係が密接になるとまた体がつらくなるかもしれない。物理的な距離を取れる人にしておこう』と考えているのかもしれません。

それはいずみさんにとって、とてもあたりまえの防衛反応だと私は思うんです。


私たちは、子供時代に『安心できる場所』を持ちたいと思っています。
両親に守られて、安心な場所から幼稚園や学校など、外の世界へ出ていくのが理想なのです。
外の世界では心が傷つくこともありますが、安心できる場所へ戻れば傷はいやせます。そしてまた、外へ出ていけるんです。

しかし家庭が安心できる場所でない場合、子どもはまず、家族を安定させようとします。
お父さんやお母さんに心配をかけないよう、つねに先回りして、気を配るんです。
いずみさんの場合は、お母さんがネガティブな感情を持たないように、いつも気をつかってらしたんじゃないかなと思います。
そしておかあさんの愚痴や不平不満、弟さんからのストレスをうけとめることで、家族の平和を守ってきたのでしょう。
そこにあるのは、お母さまや弟さんへの深い愛情です。
愛情があるから、いずみさんは逃げ出さず、すべてのことを正面から受け止めているのです。


いずみさんの愛情はとてもすばらしいと思うんですが、体に影響が出るまで我慢するのはどうかな、と私は思います。

腹痛やこわばりという形で体を傷つけているのなら、その愛情は、いずみさん自身へ向かってもいいのではないでしょうか。
いずみさんはこれまで、お母さまや弟さんのために頑張ってきました。
お母さまを愛し、お母さまを理解するためにその悲しみを分かち合ってきました。

でも、体の痛みは愛情が犠牲に近づいている証拠だと私は思います。
犠牲はいずみさんを傷つけ、他人との関係に緊張感をもたらします。ご友人といる時にも緊張を感じ、親密になると体が痛むと思うから、恋人も身近な存在にできなくなります。
愛情があるために周りの人を遠ざける。
これはいずみさんにとって、パターンになってきたと思うんです。

そしていま、いずみさんはパターンから抜け出したいと思われているんですね。
そろそろ犠牲が、不要になってきつつあるのでしょう。
犠牲をやめるには、いずみさんご自身が『自分に集中する! 自分をいたわる 自分を最優先する』という覚悟が必要です。

これ、意外と大変なんですよ。
とくにこれまで、つねに他人を優先させてきた人にとっては、修行としかいいようがないほど大変なんです。

だけど、考えてみてください。
お母さまや弟さんは、いずみさんが我慢を重ねすぎて体に影響が出るのを望んでいらっしゃるでしょうか?
違うんじゃないかなという気がするんですね。
 
ここはいったん、いずみさんとお母さま・弟さんとのあいだに、心理的な線を引きましょう。
愛情があっても、相手の問題を代わりに背負う必要はないんです。
お母さまや弟さんも大人ですから、信頼して、ご本人に問題を預けてみませんか。

そしていずみさんは、パターンを抜け出すことに集中しましょう。
私からは、簡単なアファメーションをおススメします。1日に数回、こうつぶやいてみてください。

『私は私 お母さんはお母さん。私はお母さんを愛しているけれども、お母さんの問題を背負う必要はない。
 私が私を大事にすることで、私もお母さんも幸せになる』

愛情が深い人ほど、自分を後回しにしてしまうものです。
まずご自分に集中してやりたい事を知り、やりたいようにやる許可をご自分に出しつづけてみてください。
自分は自分のままでいいんだ、と思うと、まわりに無理に気を使うことがなくなります。
ご友人と二人きりになっても緊張することは減り、自然な配慮だけが残るでしょう。恋愛も、物理的に手の届く範囲のお相手が見つかると思いますよ。