薫る花は凛と咲く アニメ 感想 第12話 | 雪花の風、月日の独奏

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ガラスの心を持つ少女の、心からの笑み。

 

今季マイヒロインは君に決めた!!

 

 

というわけで、話が進むにつれてどんどん面白さを増していく『薫る花』。

和栗嬢は、物語当初から女神のような包容力を持つ完璧ヒロインなので、鬱屈とした保科さんが成長を見せる役割を担うのは当然の流れ。

彼女の心情にスポットが当たった話になると、面白さが二割増し三割増し。

 

 

Aパート冒頭は、海辺の町ではしゃぐ宇佐美くんと和栗嬢のカットから。

内省的な子が多いこの作品において、究極のポジティブシンキングである二人の存在は癒し。

ああ、闇属性が光属性に救われるこのカタルシスよ。

メインのキャラが話してるバックで延々と宇佐美くんがしゃべってるのが微笑ましい。

 

男子の闇属性代表(というと物々しいが)・夏沢くんは、凛太郎と距離が近づいて、とても嬉しそう。

彼の心の機微を巧みに表現するうっちーのお芝居が見事。

宇佐美くんに絡まれてげんなりしてる時の声色が特に良き。

 

女子の闇属性代表・保科さんは、今日もアンニュイ絶好調。

男子陣が微塵も垣根を築いていない中、今日もRC造並みの分厚い壁を構築して、自分の世界に閉じこもってしまう。

う~ん、自己否定のスパイラルから抜けられない美少女の憂い顔は絶品ですな!

なお、山根さんのお芝居もさることながら、訥々とした話し方がまるでASMRのようで、穢れた我輩の心を浄化してくれます。

 

 

 

 

そんなアンニュイで繊細な少女の心の壁にひびを入れたのが、まさかの夏沢くん。

番組開始当初はこんなに心温まるやり取りが見れるとは思ってなかった。

敵対関係からの関係性構築は、最上のご褒美なのだが、ロミジュリ代表の凛太郎と和栗嬢ではなく、夏沢くんと保科さんの組み合わせにその波動を感じる日が来るとはね。

これだからカプ厨はやめられない。

 

 

 

 

 

 

夏沢くんと保科さんの関係性に変容が見えたところで、メインヒーローとメインヒロインの仲も一歩前進。

いつも自分に気づきを与えてくれる彼女に漏らした、本音。

「好きです」の一言が染み入るように響いた。

こんなに切ない告白、昨今なかなか聞かないぞ。

 

そして、この空気を速攻で壊せる宇佐美くんは、本当に強者。

 

他のメンバーはすぐに凛太郎と和栗嬢の異変に気付いたというのに。

君は鈍いの?鋭いの?どっちもか。

 

 

 

 

EDの後の凛太郎の絶叫には、ちょっと笑ってしまったが、そこは男・凛太郎。

失態を犯してから決意を固めるまでの潔さに惚れ惚れする。

 

 

アニメ版は、試し読みした原作版と比較すると、コミカルさを控えめにしてよりリアリティ重視の方向性で描いているのかな。

キャラクター同士の会話の、ちょっとした間にも気を使っていて、映像という媒体の強みを最大限に生かしている。

静けさ漂う画面からは登場人物の懊悩や逡巡などを丁寧に、細やかに描いているのが伝わってくるよ。

これがこの作品の醍醐味だね。

残るは最終回。

どんな美しい終幕を見せてくれるのだろうか。