大切な人たちと共に逝きたい女の子。
大切な人に生きてほしい人でなし。
「君が幸せになったその時、私があなたに絶望を与えてあげる」
この上なく残酷な約束。
果たしてそれは、どちらにとってより「残酷」なのか―――。
実に面白かった!
すれ違いラブストーリーとしての山場と落としどころとしては最高。
相手が生きる希望を得た瞬間にその芽を摘み取ろうとするとは、素敵な嫌がらせだな。
相手を永遠に独占したいという百合色のカニバリズム。
それが『わたたべ』の表層なら、本作の本質は「人でなしの母性」。
けだものの「本能」に従えば、比名子を食べたくて仕方がないはずなのに、汐莉は比名子の健やかな成長を望み、「理性」で己の「本能」を抑え込んだ。
それは、孤独な彼女が永遠に続く生で初めて得たもの。
なんて美しい親子愛の物語。
『わたたべ』は昨今の家庭や教育現場に欠けているものを教えてくれる。
子供は本来大人の意図なんて気にせず、健やかに育てばよいのである。
愛し子よ、ただ、そこに在れ――。
比名子を巡るライバルのはずなのに、気が付いたら汐莉専属キャリアコンサルタント(笑)と化している美胡ちゃんの存在も、この作品をさらに骨太にするのに、一役買っている。
表向きは、清涼剤兼コメディアンとして活躍しつつ、まっすぐで歪んだ愛で繋がっている人魚と比丘尼を地上に引き留める役割を果たしている。
最も獣に近い彼女が、一番俯瞰的に物事を観察できる立ち位置にいるという構図が興味深い。
本当によく練られた作品だよ。
そして、女の子の涙は美しい。
特に、弱って隙だらけで今にも倒れそうな子の泣き顔は最高だぜ!(←マテ
最大の見せ場は収束し、残すは後日談なのか?
趣味100%で視聴し始めたのに、まさかこんなに社会性・メッセージ性の強い作品だとは思わなかったなあ。
『ロックレディ』や『わたたべ』のように、理屈好きの我輩は社会性の強い作品が大好きデェス。
もっと隠れたメッセージをカモンカモン!!















