(179)三重県津市の明合(あけあい)古墳群・・・全国有数の巨大方墳

 地元の津高等学校の地歴部が1949年に標高40mの高台の上に築造された大型方墳を発見した。

 


 後に5基の倍塚を合わせて明合(あけあい)古墳群と命名された。

 この巨大方墳は2段築成で、一辺60m、高さ10mもあり、築造が同じ時期(5世紀前半)では奈良県橿原市にある桝山(ますやま)古墳(一辺85m・高さ15m)や築造は7世紀に下るが千葉県の印旛郡にある龍角寺岩屋古墳(方墳・一辺78m・高さ13m)に匹敵する規模がある。

<2段築成なのがわかる・1辺60m・高さ10m>

 

いうのも明合古墳には、南北の両辺に造り出しがついているため、この寸法を加えると全長は81mにも達する。

北造出しは長さ10m、幅17m、高さ1.8m、南造出しは長さ13m、幅21m、高さ2m


 円墳に造り出しが二つある例はあるが、方墳に二つ付く例はまれで、双方中方墳の可能性もある。

墳丘斜面には葺石が葺かれていた。

埴輪は墳頂部と一段目テラスに円筒埴輪列が確認されているほか、家形、盾形、衣笠形も発見されている。

<墳頂部・方形の台地は巨大>

 

また須恵器器台もあったことが確認されている。

埋葬施設は発掘が行われていないため不明で副葬品も確認されていない。

5基の倍塚がありいずれも方墳とみられる。

なかでも陪塚2号墳(小塚)は一辺22mもあり、葺石・円筒埴輪列が認められている。

<陪塚2号墳(小塚)は一辺22m>


主墳の築造は400-450年ごろ(古墳時代中期の5世紀前半)と推定されている。

墳丘の巨大さや双方中方墳の可能性など墳形の希少性から国の史跡に指定されている。


参考資料;現地案内板・津市観光協会HP(津の時間。)・Wikipedia