(150)滋賀県蒲生郡 木村古墳群 久保田山古墳
(2方向造り出し付き円墳)
この古墳の原型は、1700年以上さかのぼる岡山県の古代吉備地域にある弥生時代後期(2世紀後半~3世紀前半)の弥生楯築墳丘墓や4世紀後半(古墳時代前期後半)奈良県天理市の櫛山古墳にあるのではないかと個人的に思います。
弥生楯築墳丘墓や櫛山古墳は「双方中円形」と呼ばれ、弥生楯築墳丘墓の場合は円丘の北東側と南西側に台形の突出部がついており、キャンディの包み紙のような形をしています。
しかし残念ながら、久保田山古墳は「双方中円形」とはなっておらず
「2方向造り出し付き円墳」と、なんとも中途半端な表現がされています。
前回ご紹介の天乞山古墳と同様、2方向に造り出しがあり、
久保田山古墳の場合は北と南に付いています。
しかし、よく見ると北側の造り出しは円の中心線から意図的にずらして配置してあります。
吉備の弥生楯築墳丘墓の突出部もズレており似ている気がします。
造り出しは長方形で
南側 幅15.4m・長さ12.5m
北側 幅13.4m、長さ8.2m
南側の造り出しより墳丘を望む
葺石は斜面全体
周壕は最大幅14mで卵型
造り出し部分にも埴輪がたてられていました。
築造時期はAC400~450年ごろ(5世紀前半)
引用・参考/現地案内板・雪野山古墳発掘説明会資料