(148)熊本県球磨郡山江村 山田大王神社 

(霊社・室町時代・国指定重要文化財)




山田大王神社に祀られているのは、源頼朝からこの地域の支配を任された豪族「平河氏」。
後に台頭してきた相良長頼によって謀反の罪をかけられ平河氏一族は殲滅されたが、後年に、霊を弔うためこの霊社が建てられた。

創建の時期は不明だが、棟札から1299〜1301年の間に創建されたと推測されている。



現存するのは、本殿が1546年(天文15年・室町時代)、拝殿及び神供所が1671年(宝暦11年・江戸時代)、鳥居は1745年(延享2年・江戸時代)、本殿覆屋が1781年(案永10年・江戸時代)、に建立されたもの。



中世(鎌倉・室町)にまでさかのぼる南九州では数少ない神社建築で、大変保存状態が良いことと社壇の景観がよく整っている点で評価が高く国の重要文化財に指定されている。



特に、三間社流造・板葺屋根の本殿には、朱色が美しく、「丹土塗り」という手法が用いられており、太宰府より南の地域では見られないもの。 

 

また、本殿正面のタスキ(×印)は、平河氏の怨霊を封じ込めるためとされている。


毎年11月には五穀豊穣を祈願する例大祭が行われるとのこと。


なお人吉周辺の神社では、青井阿蘇神社が国宝に指定されている。

引用・参考/現地案内板・人吉球磨観光地域づくり協議会「人吉球磨で出会える日ノン遺産」HP