(140)香川県善通寺市  宮が尾古墳・2号墳(円墳・有岡古墳群)

有岡古墳群は香川県善通寺市内にある当地域の歴代の首長墓である古墳時代前期(4世紀)に築造された野田院(のたのいん)古墳・鶴ヶ峰4号墳、中期(5世紀)築造の磨臼(すりうす)山古墳・丸山古墳、後期(6世紀)築造の大墓(おうはか)山古墳、そして今回ご紹介する、終末期(6世紀後半~7世紀初頭)築造の宮が尾古墳の6基を主とした古墳群を指すようです。

◎宮が尾古墳



手前は2号墳

 

円墳で直径46m、後円部直径28m・高さ6m、前方部幅28m・高さ5m



柵越しに石室を撮影


埋葬施設は両袖式の横穴式石室。

石室は入口に柵があり入れないが、柵越しに見ることはできる。
石室は全長9m、玄室4.5m・幅2m・高さ2m、羨道長4.5m・幅1.2m・高さ1.7m

 

なお石室の復元模型が現地に展示してあるのはうれしい。

 

両袖式の石室

 

壁石から中四国では珍しい線刻画が発見された

 

 


人物・船・騎馬人物などで葬送儀礼の殯(もがり)を表現したものとも
絵自体はそれ程繊細なものではないけれど!

 

なお残念なことに、この石室は江戸時代に博打場として利用されていたようで、線刻画下部は焚火のため焼かれて剥落してしまっているとのこと。

 

出土遺物は耳環や刀子、須恵器など。


◎宮が尾2号墳

宮が尾古墳発掘調査時に偶然発見された古墳。



円墳で直径31m(どこにも記載がないので目測)くらいか?・上部は削平されている。
埋葬施設は片袖式の横穴式石室で、長さは7m程度、幅は1.5m前後
 

小さな線刻画が見つかっている。



 

次回のご紹介はNHK「ミステリアス古墳スペシャル」でも紹介された野田院古墳。

築造時期は宮が尾古墳・2号墳ともに同時期に築造されており

AC575年~625年ごろか(古墳時代終末期・6世紀後半~7世紀初頭)



引用・参考/現地案内版・善通寺市文化財保護協会「史跡有岡古墳群(宮が尾古墳)調査報告PDF・1993」