(125)鹿児島肝属郡 唐仁古墳群
1号墳(唐仁大塚古墳・柄鏡型前方後円墳)
唐仁(とうじん)古墳群は鹿児島県の南東部の肝属川の砂丘帯にあり、
築造時期は宮崎の日向地域の生目古墳群(ブログno18)に続く古墳群で、
AC360年~400年代(4世紀末~5世紀)。
地理的には鹿児島県の志布志にある横瀬古墳(ブログno100)から
南に下ると
唐仁古墳群に至る。
前方後円墳5基、円墳134基の計139基が確認され、
首長墓とみられる古墳の築造順は
1号墳(唐仁大塚古墳)→100号墳(役所塚)→16号墳(薬師堂塚)と考えられている。
◎1号墳(唐仁大塚古墳)柄鏡形の大型前方後円墳
神社の入口は前方部にあり前方部上に参道が築かれ、
後円部の神社へは一筋の急峻な石段がある。
訪問時は石段の崩壊が進み、う回路が作られていた。
全長140m(周濠を含めると185m)・後円部高さ11m以上
九州では3番目の規模で、前方部が未発達の
時代的に古い柄鏡形をしており、後円部は3段築成。
後円部には周濠が巡らされているが、南国らしく巨大な楠木が墳丘の周りに
枝を茂らせて、長い時間の流れと厳かさを感じさせる。
埋葬施設は、大塚神社の回廊の下に露出している竪穴式石室で、
蓋石5枚を見ることができる。
石室は長さ3.6m・幅1.2m・高さ0.85m
内部で見つかった石棺は屋根が丸く二つの柄がついた舟形石棺で
下石と蓋石がそれぞれ一枚岩で、加工されている。
蓋石の長さ2.68m・幅0.87mだが、石棺内は昭和7年当時の調査時に
重すぎて開けるに至っていないため不明。
築造時期は、AC360-390年ごろ(古墳時代中期初頭の4世紀末頃・国指定史跡ガイド)
なお東串良町教育委員会と東串良町文化財保護審議会が作成した「史跡名勝天然記念物・唐人古墳群」によると5世紀中~後期と記載されている。
引用/現地説明版・郷土研修館・東串良町教育委員会作成の「国指定史跡・唐人古墳群」紹介パンフレット及び東串良町文化財保護審議会も加わった別冊「史跡名勝天然記念物・唐人古墳群」・国指定史跡ガイドより