昭和初期に血盟団事件というものがあった。
そのころ、世間あるいは当局が警戒していたのは共産党の動きだったが、世の中ではこれと一見正反対の極右の台頭があり、この事件はその一団が起こした。
「現在の政治はなっていない。議員になるのも金次第、その金は財閥から出る。だから金主の都合のいいような政治しかしない。貧富の格差は拡大、庶民は貧困にあえいでいる。これを打破するのは教育や言論を待ってはできない。非合法であろうとも政府、官権、財閥を倒し、一気に改革しなくてはならない・・・」
と言う趣旨から一人一殺を企図したのだが、元大蔵大臣、某財閥のトップを暗殺したところで当局が警戒し、頓挫して関係者は逮捕された。
これに続く五一五事件、二二六事件も同じような動機から起きたのだが、二二六事件が非公開裁判、上訴なしで死刑確定したのに対し、血盟団事件では公判記録が記録が残っている。
無学なチンピラの起こした事件ではなく、実行あるいは実行未遂犯には現役東京帝大生などもいて、上記「」のようなことをもっと雄弁に理路整然滔々と語っている。
それから1世紀ほども経つわけだが、今の政治もほぼ相似形をしているのには呆れるほかない。
この事件の計画としては一人一殺で現体制を破壊したあとは戒厳令を敷いて天皇親政の世を作る、と言うことになっているのだが、その設計図はできていない。
自分らは破壊部隊であり、のちの設計は次の人たちにやってもらうとする。
幕末の志士気取り。
ついでに書けば、そのころ問題になっていた極左共産主義者の考えも「」内は同じで、それ以降は天皇制を廃止して国家中心の世を作る、とするところが違うだけである。
なるほど極右と極左は兄弟であると実感する。
ところで自民党安倍派の裏金問題は議員まで立憲は困難らしい。
会長マターだったという死人に口なし作戦が功を奏した形だ。
岸田総理は急ごしらえで何らかの会議を立ち上げて議論するようだが、議員の行動を規制する法律を議員が作るのだから、過度な期待はするまい。
そんなことより、能登をなんとかして欲しい。