徳島県那賀郡那賀町(の旧木沢村エリア)にある四季美谷温泉。
来月(2024年4月)から再び休業です。
ここは那賀町による町営施設です。(できた当時は木沢村による村営)
思えば、コロナによる売上激減で前の指定管理者が契約期間の途中で撤退(2020年)し、約半年後に新しい指定管理者により再開したのが3年前の2021年4月でした。
この新しい管理事業者も赤字続きでした。コロナが明けた2023年度の単年でも。
一部には身勝手な撤退と批判する声もあるようですが、休業の理由は正確にいうと、新しい3年間の管理者の公募に1社も応募がなかった、というもの。
直近の管理者が再応募していれば競争相手もなく継続していたでしょうが、委託料を繰り入れても大赤字なのですから、応募しないのは当然です。
契約期間の3年を全うしてくれただけでも「ありがとう」かもしれません。
運営母体の那賀町は、引き続き指定管理者を探していくとしていますが、厳しいと思います。
委託料の引き上げも難しいでしょうし。
なにより、頼みの地元人口がかなり減ってきています。徳島でもトップクラスの過疎地です。
つまり、このまま完全閉館になる可能性が高いと思います。
国の「農村資源活用農業構造改善事業」の助成金を使って2001年に移転リニューアルした温泉でした。
農業構造改善がなぜ温泉? 村民が農業で疲れた身体を癒やすために造られた箱物ですかね。
20数年でしたね。長いのか短いのかよくわかりませんが、少子高齢化で似たようなことはこれから日本全国各地で当たり前のように起こるのではないでしょうか。
初めてここを訪れたのは新婚時代の2002年の初めでした。当時は塩素の投入量が控えめだったのか、とても硫黄臭のあるヌメっとしたお湯でした。自分よりどちらかというと妻のほうが気に入り、それから定期的に通うようになっていました。宿泊も2回ほどしました。
そんな思い入れの強い温泉でしたが、消滅しそうです。
実は、回数券が複数枚残っていたこともあり、2月あたりから頻繁に通っていましたが、いよいよファイナルを迎えました。
3/24 あいにくの雨天。
もうすぐ北海道へ引っ越す長男と、嫁と3人で行ってきました。
我が家から片道90分です。いつも思うのですが、遠いです。
早めの10時すぎに到着。
まずは入浴。お湯もサウナもいつもより温度高めだと感じました。
時間の割には随分混雑していました。
11:45頃にレストランで最後のランチです。
こちらもすでに混雑していました。
(食事してからフロの人って意外と多い)
地元の鹿肉ジビエを中心とした定食など。
この絶品ジビエ料理も最後かな。
地元の新聞やテレビニュースで4月から休業することが報じられて最初の週末でしたから、駆け込みで多くの人が来ていました。
普段からこのくらいの来館者があったら黒字化できていたでしょうけど。
我が家も含めてですが、皆、身勝手なものですよね。
初代リーフで最初は電池切れを心配しながら訪れたのもいい思い出。
2019年8月。新しい車で最初のロングドライブの目的地に選んだのもこの四季美谷温泉でした。
通い慣れた山坂道(国道195号線)も、これから滅多に走ることはないと思うと、やはり寂しいですね。