三十路モラトリアムの冒険、ファイナル。 | 世界を旅するラブレター

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「アラサー・独身・彼氏ナシ」現代女性の三重苦を背負ったバックパッカーが、さらに「住所不定・休職」をステータスに加え、世界一周に旅立ちます。

カムザン・イナレ!(お元気ですか?)

 

インドの山で拾ってきた南京虫ことベッドバグに悩まされ、

デリーで病院に行き、服をすべてクリーニング&アイロンサービスに出し、

寝袋はドライクリーニングに、アクセサリーは熱湯消毒、

バックパックは直射日光に当てまくり、と全力で対策したので

これからは平和な暮らしができると思っていたのに

数日経って、またもやベッドバグに刺されてるっぽいミギー(ローゼ寸前)です。

 

うぼあぁぁっぁぁあああ!

 

いまの宿に元々いたのか、わたしの持ち物にしぶとく生息してるのか…。

うーん。もはや何が原因なのかワカランぞ。

わたしの婚期が遅れてる原因以上に、原因がワカラン。

原因がゲシュタルト崩壊する勢いで、原因不明。

 

どうせ夜に襲われるならベッドバグじゃなくて、

犬顔の男性にお願いしたいものです。

 

ベッドバグにしろ、犬顔男子にしろ

わたしは全力で応戦する構えでございます。

 

あー。朝早起きして、おにぎりとソーセージと卵焼きレベルの

シンプルなお弁当つくって、犬顔男子と近所の公園でデートとかしたいなー。

 

デート以前に、相手いないけど。

 

-------【リアルタイムここまで】------

 

冒険七日目。ザンスカール・スムドで最後の夜をむかえる。

 

近くに陣営しているヒマーチャル・プラデーシュ大学の学生たちの

どんちゃん騒ぎ&雄叫びを聞きつつ

寝袋にくるまって就寝を試みていたら、またもガイドのスタンジンが

どこからか毛布を借りてきて、わたしの上にかけてくれました。

 

そのあたたかさは、幼少のころ遊びつかれて

畳の部屋で寝てしまったわたしに

タオルケットをかけてくれた母を思い出させました。

 

 

なぜか、この数日間、ずっと家族に会いたいなーと思ってたんです。

ふだんは全然そんなことないんですけど。

 

きっとザンスカールの人々から感じる温度が、

自分の家族を思い出させたんだろうと。

 

東京でがむしゃらに働き、寝るためだけに帰宅する家には

家族の温度なんて、ありませんでしたから。

 

どうしてこんなに、あたたかくて、たいせつなものを

ずっと忘れて生きてこれたんだろう。

と、ふしぎな感覚になったんです。

 

旅に出る前、人生に行き詰まってる感じがしていたのは、

だいじなものが何かわかってなかったのも一因なんだろうなーと。

 

全力疾走で生きてるのに、目的地がワカランようになってたんです。

「あれ? いまどこに向かってんだっけ?」みたいな。

 

いまでも「わかってんの?」と聞かれたら

「まだワカラン」と答えるレベルですけど。

 

そんなにすぐわかっちゃうのも、おもしろくないだろうから

これからまた、いろんな経験しながら学んでいけたらなーと思っとります。

 

三十路モラトリアム。

 

って、こういう大事っぽいことに気づいても

時間が経つと忘れちゃう生き物なんですよねー。

それがこわくてさみしいけど

だからこそ、生きてるのがおもしろい気もしてます。

 

 

話が遠くにいっちゃいました、すんません。

 

 

翌朝。

 

ヒマーチャル・プラデーシュ大のみんなが、朝食にも招待してくれました。

「日本からこんな遠いところまで来てくれたゲストだからね!

 しかもシンゴ・ラを越えてきたストロングでスペシャルなゲストォォオ!」

と、テンション高く、全力でもてなしてくれました。

 

そんな彼らもおとなしくなる、朝礼の様子。

 

彼らも今日移動する予定とのことで、

迎えのジープにわたしも乗せてもらえることに。

(ザンスカール・スムドからダルチャ村まではジープロードが開通済み)

何から何まで、ホントありがとうございます。

 

スタンジンは、ポーターとして活躍してくれた馬ことウマーを

近くの村まで預けにいかなくてはいけないので

ゴールのダルチャ村で落ち合うことに。

 

 

放牧ヒツジの移動による、ヒツジ渋滞をかわしつつ。

 

あっという間にダルチャ村へ到着。車ってすごい。

 

大学生のみんなとは、ここでお別れ。

いろいろ親切にありがとうね。

 

食堂でぼーっとしながらスタンジンを待つこと3時間。

すごい早さで歩いてきました。さすが地元民。

(わたしだと5時間くらいかかる距離)

 

元々の予定では、この日はダルチャ村に泊まって

翌朝、温泉で有名なヴァシストに移動しようと思っていたのですが…

 

ダルチャ村の宿には、

シャワーがなかった。

 

ダルチャの宿は、一般に想像される「宿」ではなく

食堂の奥の部屋に数台置いてあるベッドを貸す「休憩所」という感じ。

 

いつもなら気にしないことなんですが、

なにしろわたくし八日間ずっと風呂に入ってないんです。

(ザンスカールの山間の村人は、あまり風呂に入る習慣がない)

 

八日間、水浴びすらせず、ずっと同じ服を着てトレッキングするとどうなるか。

 

髪の毛は自分の分泌した脂で固まって束になり、

ワックス不要でヘアセットできる状態。

 

手足は極度の乾燥×不要な角質が溜まっていることもあいまって、

人生最高レベルに粉をふきまくりで、遠目で見たら色白に見えそうなくらい。

 

一言でいうと「自分の存在が、気持ち悪い」です。

 

 

余韻にひたりたいところではありましたが

どうしても「自分キモい!風呂入りたい!」欲求をおさえきれず、

この日のうちにヴァシストに移動することにしました。

 

スタンジンに、心ばかりのチップと

ありったけの感謝のことばを渡し、お別れのときが。

 

八日間いっしょに旅できたのが、彼でよかった。↓スタンジン&脱走騒動を起こしたウマー。

 

スタンジンとギュッと握手をし、ローカルバスに乗り込んで、ケーロンへ。

 

ケーロンからマナリへの終バスはすでに出てしまっていたので

タクシーをチャーターしてヴァシストへ。

 

宿でシャワーを浴びたとき、本当に、生き返るようでした。

頭上から注がれる水滴、一粒ひとつぶが

ザオリク(FF派はアレイズ)のように沁みわたります。

 

「じゃ、いままで死んでたのかよ」と言われそうですが

半分くらい他界しちゃってるレベルに疲労困憊だったのです。情けない。

 

蛇口ひねってお湯が出るってすごいわー。

電気があると明るいわー。

Wi-Fiでインターネットもできるのかー。

 

と、いちいち感動しながら、全裸でベッドに飛び込み

ひさびさの布団でカラダをぐるぐる巻きにして就寝。わーお、かいてき。


 

なにを思って、なにを所有し、どう暮らしていきたいのか。

まだまだ考えることはたくさんありそうです。

 

 

読んでくださりジュレー、ヤン・ジャリンレ!(ありがとう、また会いましょう)

 

オ・ジュレー、ラダック&ザンスカール。

 

 

I’m still alive , and i love u.

 

 

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