彼が帰ってしまったあとで、
私はほっともしたし、そして少し残念な思いだった。

けれど日常は続いていき、日々は毎日語学学校に通ったり、
ギャラリー番をしながら、お客様や
日本から来たアーティストさんと話をしたりしながら
過ぎて行った。

私が企画した展覧会はパート1とパート2に分かれていて、
それぞれ8人ずつ一週間の展覧会になっていた。

オープニングパーティーから6日後の9月6日。
パート1の展覧会が無事にすみ、
作品を外してアーティストさんたちとギャラリーの裏庭で
小さな打ち上げをしていた。

一人のアーティストが知り合いが訪ねて来たというので
見に行くと、それはギデオンとその友達だった。

半分シャッターを閉めていたギャラリーの扉の向こう側から
身を屈めて挨拶をして来た。

私はドキドキしてまともに顔も観れずに、
どうしたの?と聞くと、
搬出を手伝いに来たという。

搬出はもう終わったけれど、アーティストたちと
打ち上げをしているからどうぞ。
と言って、私は二人を中に通した。

彼らが私の後ろからついてくるのを感じながら、
ああ、この人は私の人生にはいってくる。
と、その時に感じていた。

そして、私はもうこの人が自分の人生に入ってくる事を拒めないのだと
説明できない、確信に近い諦めに近い気持ちを
同時に感じていた。