今朝は、ちょっと信じられない記事を見つけたので、それについて書きたいと思います。


【DVシェルター 狭き門】



この記事は、千葉県立のDV被害者を一時的に保護するシェルターの個室が、昨年1日平均して半分は空いた状態であったと言うYOMIURI ONLINEが報じたものです。



それは、助けが必要な女性を追い返しており、入所条件が厳しいとの声があがっているとのことでした。



その入居の条件は、(1)自立して生活を立て直す自立再建の意思がある(2)集団生活ができる-だそうです。



千葉県警によると、昨年少なくとも10人が、県立シェルターから「ホテルの代わりではない」などの理由で入所を断られ、警察署の相談室で一夜を明かしたそうです。

また、他の女性は、一度入所した後、自分の意思で夫のいる自宅に戻り、再び入所を求めた際に、「一度、自分から戻っており、本当に自立再建の意思があるのか疑問」として断られたケースがあったそうです。



これに対して、センター側は、「女性には入所条件を理解してもらった上で、希望があれば受け入れている。空いているからと誰でも受け入れれば、突然、保護が必要になった時に対応できなくなる」と説明していると言います。



ちなみに、東京都女性相談センターでは、都立一時保護所は、警察などの関係機関から連絡があった場合は、原則受け入れの方針で、09年の施設利用率は、100%超だったそうです。



この、千葉県立のシェルターの自立再建の意思があるかどうかや、集団生活ができるかの条件、また、突然の保護に対応できなくなるなどの理由は、ごく当たり前で、筋が通っているように感じる人もいるかもしれません。



しかし、DV被害者を支援する立場の人であれば当然知っておくべきなのが、このような理屈で割り切れないのがDV被害者の心理です。



DV被害者の心は、とても傷つき揺り動いているはずです。

自分にも非があるのではないか、もしかしたらパートナーの言っていることが正しいのではないか、出来れば離婚はしたくないなどと、迷い苦しんでいるのです。



一度戻ったからと言って入室を断るなど信じられません。



以前、離婚カウンセラー仲間との勉強会で、DVについて勉強をするために東京ウィメンズプラザで借りてきたDV支援者のためのビデオを何本か見たことがありました。



その中の1本で、色んな支援団体などの支援者たちが、どのように被害者に接するべきかを話し合っているビデオがありました。



その中で言っていたのは、DV被害者が自宅に戻ってしまうことは良くあり、それによって「せっかく支援したのに何で戻ってしまうのか」と考えてしまう支援者がいるが、それは間違いで、中には何度もそれを繰り返す被害者もいるとのことでした。



特に、暴力を受ける爆発期と、その後の優しくしてくれるハネムーン期を繰り返すようなサイクルの中にいると、DVのトラウマに縛られ、正しい判断力が奪われていることがあるのです。



自分に暴力を振るうのは夫であるけれど、優しくしてくれたり愛してくれたりして、自分を保護してくれるのも同じ夫で、そんな環境の中に長くいたことで、混乱してしまうのです。



例えば、シェルターの部屋に居る時に、雷の音やちょっとしたもの音で不安になると、そこで、自分を保護してくれていた夫のことを思い出し、その夫に保護されたいと言う心情が働くことがあると言います。



こんな心情のことを、私がDVファシリテーター養成講座を学んだレジリエンスでは「トラウマティックボンディンク」と言います。

それについては【DVから逃げない理由】 で詳しく書いておりますので、どうぞご覧ください。



だから、一般の人であるならば、こんなことを知らなくても当たり前のことですし、仕方のないことですが、支援者がそれを知らないことは、被害者に二次被害を与えることになり、支援者としては失格だと思います。



元々長く行政にいた私としては、行政の建前式の言い分を、単純に非難するのは心苦しいもので、行政の中に居た時も、そんなマスコミや住民の方達からの非難の声に反発したこともありました。



しかし、今日の記事の施設の決まりや言い分は、本当によくある行政のやり方で、本当にDVのことを知らない人が考えたものとしか思えません。



改善されることを、願うばかりです。


それと、最後に付け加えておきますが、今日の記事が、女性の支援を対象にした施設なので、私が書いた説明の中でも、夫が加害者で妻が被害者である書き方になりました。

しかし、現実には、夫がDV被害者であるケースも存在しています。

オネスティへのご相談者の中にも、実際におります。


DV支援者の中には、DVの被害者は女性で、加害者が男性であるというステレオタイプな言い方をする方がおり、それによる弊害を常日頃感じております。


くれぐれも誤解のないようにお願いいたします。



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