昨日、一昨日とDVにおいての『支配』について書きました。



これを読んで、疑問を持たれた方もいるかと思います。



それは、「なぜ、☆さんは、そんな環境に居ながら逃げないのか?」「別れないのか?」だと思います。



実は、私も以前「ラストフレンズ」と言う恋人間のDV、いわゆるデートDVをテーマにしたドラマを観ていて同じことを思いました。



そのことについては【DV講演会に参加して思ったこと】 にも、書きましたが、そのことについてもう一度触れたいと思います。



その関係を断たない理由は、様々です。

その特徴的である理由として挙げられているのが、「トラウマティックボンディング」です。



このトラウマティックボンディングを理解するのに不可欠なのは、DVのサイクルについて知ることです。



それは、DVはある法則にそって状況が変化し、その状況は繰り返されます。



身体的暴力に限らず、暴力が振るわれる瞬間であったり無視をされるなどの期間の後、Bさんが優しくなったり、その行為を謝ったりする時期があります。

それを、レジリエンスでは、「下手に出るコントロール」と呼んでいますが、「ハネムーン期」と呼ばれることもあります。



その期間の後、徐々に緊張感が高まる期間があります。

Bさんの機嫌が段々と悪くなりピリピリとした状態になる期間です。



そんな緊張感の中、何かのきっかけでBさんは、暴力と言う形で爆発します。

身体的暴力ならば、爆発と言う言葉がぴったりと当てはまるのですが、無視をするなどの一見静かな行為では、爆発と言う感じではなく、雲の中にいるような感じの時期が続くと言う感じでしょうか。



そして、その後また、「下手に出るコントロール」の期間に入るのです。



これらの行為や期間を、一つのサイクルとして繰り返し起こるというのが、DVのサイクルと言うものです。



全てのDVに必ず起こると言うことではないかもしれませんが、このサイクルの影響で、DVの環境から逃げなかったり、Bさんと別れなかったりするのです。



先ほどの「トラウマティックボンディング」とは、このような一人のBさんから、「暴力」と「優しさ」という全く逆の行為を同じ人から受けることによって起こる心理状態のことを言います。



人が暴力などによる恐怖から逃れたいと考えるのは当然のことで、それは本能でもあるかもしれません。

そして、そんな環境にいると、「癒されたい」とか「ホッとしたい」というニーズが高まります。



ところが、DVの環境では、Bさんによって☆さんの交流関係が絶たれたり制限されていたりすることがあります。

そうすると、そんな「癒されたい」とか「ホッとしたい」というニーズを、どこか他で得ることは難しくなり、そのニーズを満たしてくれるのは、Bさんの「下手に出るコントロール」の時期の「優しさ」だけになってしまうことがあります。



そうすると、☆さんにとっては、その期間がとても必要であったり、Bさんに対しても、とても必要であり大事な存在と感じるようになります。



この必要と感じたりすることは、相手に愛情を感じている状態と似ており、「相手のことを愛しているから別れたくない」と感じてしまうことがあると言います。



また、この「癒される」期間を長く持ちたいがために、Bさんに対して機嫌をとったりするようになることもあります。



このような心理状態は、誰にでも起こり得ることで、☆さんが特別な人ではないと言うことです。



しかし、この心理状態を、理解するのは難しいかもしれません。

理屈ではなんとなく分かっていても、実際にその環境にいて自らが体験してみないと、十分な理解は出来ないかもしれません。



そんな時に、気を付けなければならないのが、友達や家族など自分の周りにいる☆さんに対しての対処の仕方です。



なぜ別れないの?」などの言葉によって、☆さんをさらに傷つけてしまう2次被害を起こしかねないからです。



この「トラウマティックボンディング」以外にも、「別れない理由」「別れられない理由」は、あります。



それについては、また別に書かせて頂きます。




ペタしてね



ブログランキングに参加しています。
応援クリックお願いします。


にほんブログ村 家族ブログ離婚・別居へ    人気ブログランキングへ    blogram投票ボタン