もうすぐ / 橋本紡
結婚したら、すぐに子どもが出来ると思ってた。どこでも産めると思ってた。でもーー。
お子さん、まだ?焦りと戸惑い、嫉妬、胸の中からあふれだす願望。
結婚しても、競争は終わらない。
出産適齢期の焦りと戸惑い、不安、尽きない願望の行方と
妊娠と出産をめぐる現実を書ききった渾身の長編。 
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妊娠、出産にまつわるお話。
インターネットのサイトに投稿という形でさまざまなエピソードが中心に
話は進んでいきます。
お産難民、流産、不妊治療、産科医不足、出産時の医療事故など
少し詰め込みすぎな感じもしますが。
男性作家なのによくここまで女性の気持ちが書けたなーと感心。
私自身、出産して1年足らず。まだまだ妊娠出産時の記憶が残っているので
とても興味深くかつ集中して読みました。
出産のタイムリミットの部分では私もその年齢にかかるので
焦り?のような気持ちにもなったけどどのエピソードも共感できないまでも
彼女達の気持ちが分かる気がします。
ただ読み手の年代で受け取り方も随分違ったものになるかもしれません。
最後にちらっと「なぜ子供を産むのか」という問いがあり
私も同じで母になった人はみなそうなのかなと思いながら本を閉じたけど
内容的にもう少し何かガツンと来るものが欲しかったなと感じました。