幼な子われらに生まれ / 重松清
重松 清:幼な子われらに生まれ
【内容】
三十七歳の私は、二度目の妻とその連れ子の二人の娘とありふれた家庭を築く努力をしていた。
しかし、妻の妊娠を契機に長女は露悪的な態度をとるようになり、『ほんとうのパパ』に会いたいと言う。
私も、長女を前妻との娘と比べてしまい、今の家族に息苦しさを覚え、妻に子供を堕ろせと言ってしまう―。「家族」とは何かを問う感動の長篇小説。(amazonより抜粋)
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重松作品、二度目の登場です。
登場人物や背景は違うけれど私達と同じ離婚体験のある再婚夫婦のお話。
読み進めていくうちに感じたのは離婚が増えた現在ではこのような形で再婚する人も増え
そして同じような悩みを抱えている夫婦もまた多いのではないかということ。
幸い我が家は子供がいないので共感する部分はあまりないけれどやはり「もしも」を
考えてしまいます。
物語では誰も悪くはないのにこの複雑な空気感は「もし私だったら・・・」逃げてしまうかもしれない。
また子供の目線で見れば大人の都合で振り回され大人の顔色を伺い生活している姿は
やはり痛々しい。
離婚経験のある再婚同士。
そこに芽生える新たな生命。
妻の連れ子の2人の娘達。
元奥様との間の娘。
元奥様。
妻の元夫。
一見複雑なように見える人物設定だけど物語と同じような体験をしている人も多いはず。
離婚や再婚をしていない人にも読んで欲しい一冊です。