私のお仕事はテレアド。
テレマと違って、用事のあるお客様から自発的にかかってくるので、
どんな人からどんな用件で電話してこられるのかは、
お話を聞くまで全く分からない。

以下
   「お客様」
   「miffy」 
   (miffy心の声)

「大変お待たせいたしました。○○のmiffyでございます」

「あー、やっとつながった♪」

「お待たせして申し訳ございません。」

「結構待ったんだよ。なんで?」

「今はお引越しのシーズンなので (中略) 申し訳ございません。」

「そっかー。ボクもその一人なんだけどね。
 ○○県の担当は一人でやってるの?」

  (そんなこよとりご用件は?)

「いえ、そうではないのですが...」 
  (ていうか混んでるんだから早く用件言ってよ。)

「ふーん。何人ぐらいいるの?何百人も?」

「いえ、何百人もはおりませんが...(いるわけねーだろっ)
それではお客様、ご移転ということでしょうか?」

「あ、そうそう、でもまだ引越し先決めてないんだよねー。」 (なにっ?)

「そうでございますか。お引越しの日程はお決まりでしょうか?」

「うーんと、4月くらいには引越そうと思ってるんだけどね。」

「そうですか、そうしましたらお引越し先と日にちが決まってから
 またお電話いただいてよろしいでしょうか?」

 (じゃなきゃ話にならんだろ)

「あのさー、最近光ファイバーのやつ(商品名)あるでしょ? 
 あれってやっぱり早いんだよね? 
 やっぱり新しいマンションじゃないとついてないよね?
  (中略) 
 早すぎて困ることはないの? (困るならやめとけば?)
 たまには砂時計のマークが見たくなったりして♪
  (以下略) 
 

・・・とまぁ、商品説明をしつつ、つまらない冗談(たわごと)
にも一応付き合ったので、そろそろ切り上げようと思い、

「お客様のご住所でインターネットがどのくらいの速度でつながるか
 お調べすることも可能ですので、お引越し先を決められたら
 またお電話いただいでもよろしいでしょうか?」


「あはっ、そうだよね。住むところ先に決めなきゃね。
 引越しってさー、結構大変だよね。」


「そうですね。」 (それが何か?) 


「おねえさん、手伝ってよ?」


「は? いえ、それは...」
 (はぁ~?なんでわたしがあんたの引越し手伝うんだよ?ん?)

「ボク一人暮らしだから。一人だといろいろ大変じゃない?
 やっぱ女の人いたほうがいろいろ助かるし。
 おねえさん、気がききそうじゃん?」


「いえいえ、それは...」
 (自分のことは自分でやりな!一人なら荷物の量も知れてるだろ?)

「ほら、お皿とか包んだりけっこう適当にやると割れちゃったりするし。
 おねえさんなら器用そうだから」


「はぁ~?」 (決して色っぽいため息じゃありません)
(割れるもんは割れるんだから気にすんな。
 だいたいそんな大事な皿はないだろ?
 しかし私が器用だっていうのは当たってる。カンは悪くない
 って感心してる場合じゃないな。)


「お皿とかいろいろ包んでよ。
 おねえさん上手そうだなぁ~包むの」


「はぁ?」 いろいろって???



「ボクもおねえさんに包まれたい♪えへっ
 上手そうだよなぁおねえさん。
 うちに来てよ♪」




「 … …  (ーー# 」

 お客様だと思うからくだらんジョークにも笑ってやってたけど、
 黙って聞いてりゃいい気になって、何が「包まれたい」だっ!
 ったく、朝っぱらからいい加減にしろよ!
 電話かけるところ間違ってんじゃないの?
 そんなに包んでほしけりゃ、真空パックなんていかが?
 こっちはアンタの妄想につきあってる暇はないの。
 ついでに引越しも手伝う義理ないからサ