2016年1月に読んだ本 | ちわ☆わんつーmemory 

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日々の忘れたくないこと

2016年1月の読書メーター
読んだ本の数:13冊


神の時空 ―嚴島の烈風― (講談社ノベルス) 神の時空 ―嚴島の烈風― (講談社ノベルス)
ーあらすじ・内容紹介よりー
広島市内の大学に通う観音崎栞は、実家のある宮島に戻っていた。台風のような烈風や地震など自然災害がつづくなか、神社で相次いで栞の知人が殺害される。 「神の島」で起きている異変を知った辻曲彩音らは、怨霊を目覚めさせようと企む者たちの仕業だと感じ、宮島に急行する。突風吹き荒び、大鳥居が揺らぐ嚴島神社に封印された巨大な怨霊は解き放たれるのか?怨霊鎮魂の高田ミステリ、クライマックスへ!


感想
厳島神社には一杵嶋姫命が封じられているという。勝者の歴史に隠されて、表に出てこない裏の歴史。今回も怨霊を目覚めさせようとする高村皇の目的を辻曲家長女彩音は、現在の日本の国を太古の倭国に戻そうとしているのではないかと憶測する。破天荒な内容の作品ですが、怨霊や神を忘れた現代に今一度、謙虚な心を持てと言っているのかも。そう思った今回。いつもの通り事件については高村に操られた地元の人間がやったことと片づけています。しかしこのように舞台と なった地に実際に住んでいる人たちはどう読むのか…?
読了日:1月2日 著者:高田崇史


読んだら忘れない読書術 読んだら忘れない読書術
ーあらすじ・内容紹介よりー
こうすれば、記憶に残すことができる!毎月30冊の読書をこなし、毎日40万人に情報発信!異色の精神科医が教える、脳科学に裏付けられた、本当に役立つ読書とは?


感想
これは役立つ本でした。最近すぐ忘れると悩んでいたので、ネットの紹介レビューを読んで図書館で借りて…実践でマーカー、メモとあったけど、そこは私にはできないけど。インプットとアウトプット。この読書メーターも大きな役割があった。自分の感想が書けなければ、書かれていた名言を紹介するだけでも記憶に残る。私が読むのはノンフィクションばかりなので、生活に役立つ読書とは言い難いが、シリーズものだと前回を忘れてしまうことが多い。ネタバレでも書くことで記憶に残す努力をしようと自覚。
読了日:1月4日 著者:樺沢紫苑



四季彩のサロメまたは背徳の省察 四季彩のサロメまたは背徳の省察
ーあらすじ・内容紹介よりー
私立扇央高校朗読部の主・華影忍。“歩く女百科全書”を自称する彼は、新入部員の後輩、通称「カラス」から、春休みに一目惚れした女子生徒を探してほしいと頼まれる。だがカラスが探していたのは「存在するはずのない」少女だった…。カラスの仄かな恋心は、嫉妬が引き起こした残酷な夏の事件、軽薄さが全てを崩壊させた秋の事件を経て、次第に忍と彼の婚約者の歪な関係へと繋がっていく―。青い春の只中で、今は亡きサロメの幻影に囚われた美しき男子高校生の一年を描く。


感想
「黒猫シリーズ」は読みたいという要求を起こさせる作品だったのですが、この本に関しては、受け付けない!作者の自己満足と受け取ってしまう描き方。うまく波長が合う読み手ならいいのかもしれないが、私は好きではない。サロメということばに、黒猫シリーズに現れるこの作者の知識に選んだ本だったのですが…出だしのエロチックな描写で路線がずれたと思った。
読了日:1月5日 著者:森晶麿



三千世界の鴉を殺し(19) (ウィングス文庫) 三千世界の鴉を殺し(19) (ウィングス文庫)
ーあらすじ・内容紹介よりー
大きな危機を乗り越えたルシファたち。だが亜空間通信が何者かによって阻害され、バーミリオン星をとりまく状況は不穏なものになりつつある。なぜアル= ジャアファルがバーミリオン星に来たのか。裏で糸を操る“イヴル”の狙いは何なのか。そんな中、宇宙港にやって来たルシファは、実力伯仲の仇敵“ザ・ビースト”と遭遇する―!!


感想
毎回のことながら、発行に期間が空きすぎて、前回の内容がスッポリ「?」今回わかった内容は、O2の父、すなわちルシファの祖父がどこかの学都の学長であり、アル=ジャハルがそこで教授だった。彼の研究は“超人の創造”そして作ったムガルが今回バーミリオン星へ。ルシファとムガルの闘いが避けられないものになりそうな予感を皆に与えて!星の外では宇宙海賊が大暴れ。貨物がバーミリオンに来ない。O2は情報を流した裏切り者と海賊を一掃するために戦艦に乗り込んだ!さて…おもしろそうな続きは何時読める?!
読了日:1月7日 著者:津守時生



お面屋たまよし (YA! ENTERTAINMENT) お面屋たまよし (YA! ENTERTAINMENT)
ーあらすじ・内容紹介よりー
面作師のもとで修行する太良と甘楽。ふたりは面を売って、全国を渡りあるいている。
面とはふつう、縁日で見かける、子どものおもちゃを差す。けれども、いにしえから続く面作師は、縁日で売りだす屋号とは別の、裏の屋号を持っているものなのだ。そして、裏の屋号では、妖面というものが売られているのだった。
妖面は願いをかなえてくれる面。
妖面をつければ、姿かたちを変えて、自分のなりたい人間になることができる。
しかし、その代償は大きく、一歩間違えば、妖面に取りこまれてしまう。
太良と甘楽は、危険なものと知りながら、光と闇のあいだで、妖面を売り歩いていくのだった。そうして、喜怒哀楽、人ゆえの苦しみを持った人びとに出会っていく。


感想
妖面を扱うお面屋の二人は、天狗の住まう御招山に偶然同じ日に捨てられ、穏さまから面作師の仁王次に託された。作品はこの二人から妖面を買った人物たちがどうなるかといった連作かと思ったが、次第に二人の関係と、育てた仁王次や穏さまも登場して、物語が深くなっていく。出だしはちょっと深みがない荒削りな作品かと感じたが、2話目のお勝の気持ちを描くことで、おもしろさがぐっと増した。自分以外の容貌になって、美しくなりたいというより、相手の態度がどう変わるかが知りたいと言うお勝の気持ちのおもしろさです。二人の性格もいい
読了日:1月8日 著者:石川宏千花



幕末まらそん侍 (ハルキ文庫) 幕末まらそん侍 (ハルキ文庫)
ーあらすじ・内容紹介よりー
風雲急を告げる幕末の世。安政二年(1855年)、安中(群馬県)藩主・板倉勝明は、藩士の心身鍛錬を目的として安中城内より碓氷峠の熊野神社までの七里余り(約30キロ)の中山道を走らせた。“安政の遠足"とも呼ばれ、日本のマラソンの発祥である。
美しい姫をめぐりライバルとの対決に燃える男。どさくさ紛れに脱藩を企てる男。藩を揺るがす隠密男。余命を懸け遠足に挑む男。
一ヶ月に渡るマラソン大会の勝者となる者は?そして安中藩の未来は?


感想
幕末の安中藩で実際にあった遠足(とおあし)と言われる、藩主が言いだして開催されたマラソン大会の話でした。その遠足で走った侍たちのそれぞれの事情と思いが描かれて、読みやすかった。各家の事情、藩の情勢といったハラハラ場面・しんみり場面・ほろっと場面がうまく混ざってます。最後は幕末という時代もあり、弱小藩でも幕府との探り合いの状態。長年「草」といわれる隠密の侍の虚しさや、姫を好きな若侍二人の競争など。おかしさも充分でおもしろさが満載、映画化されるらしいです。
読了日:1月11日 著者:土橋章宏



キャット・アート―名画に描かれた猫 キャット・アート―名画に描かれた猫
ーあらすじ・内容紹介よりー
名画の登場人物をすべて猫にした画集。


感想
先日、美術展でキャット・アートを鑑賞。展示されていた作品の作品集がある事を知り、図書館で借りました。美術展で展示数の多さに驚いたのですが、作品集にはもっとたくさんの作品が載っていて、巻末には参照画作品リストがあり、参考にした作品と作者が分かるようになっていて、これは助かります。美術展には浮世絵もありましたが、この作品集は西洋絵画がほとんど。「猫街道三拾三次」は別の作品集になっているようです。ゴッホの自画像を参考にした絵は美猫だわ。 ちゃんと片耳ないけれど。
読了日:1月12日 著者:シュー・ヤマモト




お坊さんとお茶を 孤月寺茶寮はじめての客 (集英社オレンジ文庫) お坊さんとお茶を 孤月寺茶寮はじめての客 (集英社オレンジ文庫)
ーあらすじ・内容紹介よりー
お人好しで要領の悪い三久は、勤め先をリストラされ路頭に迷ってしまう。行き倒れた先は、猫まみれの貧乏寺・孤月寺だった。クールな美形僧侶・空円と、謎の水商売風男・覚悟の二人が営むこの寺で、三久は僧侶見習いとして居候することに。慣れない清貧生活(?)に四苦八苦していた三久だが、突然、近所で起きた強盗傷害事件で犯人扱いされてしまって…!?


感想
軽く読めて、お寺生活がちょっとわかって、貧乏な寺に転がり込んだ、ダメ青年。住職代理は感情を表すことも人と付き合うことも苦手そうな美貌の青年。同じく寺にいる同輩の坊主は世慣れていて、三人三様。その彼らが寺の回りで起こる問題を解決したりしながら、きっと三人の係わりも変わっていくことでしょう。お約束通りというか、完璧なはずの住職代理、空円が味覚音痴で悲劇的に料理が苦手という設定。サンキューと呼ばれる三久がどのように成長していくのかがストーリーになるのかな。時々名文が挟まってます。
読了日:1月13日 著者:真堂樹



最後の晩ごはん ふるさととだし巻き卵 (角川文庫) 最後の晩ごはん ふるさととだし巻き卵 (角川文庫)
ーあらすじ・内容紹介よりー
ねつ造スキャンダルで活動休止に追い込まれた、若手俳優の五十嵐カイリ。全てを失い、郷里の芦屋に戻った彼は、定食屋の夏神留二に救われる。彼の店で働くことになったカイリだが、とんでもない客が現れ……。

感想
主人公は、まるでモコズキッチンをモデルにしたような料理コーナーを持っていた若手俳優。しかしスキャンダルに巻き込まれ、一人世間に放り出され!最初はリアルな話かと…ところが幽霊は出てくる。メガネのつくも神は出てくる。まだ1巻ですが、カイリが助けられた定食屋には幽霊が毎回出て、毎回幽霊に絡んだ料理が最後の晩御飯でつくられるということなんでしょうか?気軽に読める作風ですが、気軽に読み終わっていいものかどうか複雑
読了日:1月17日 著者:椹野道流



三悪人 (講談社文庫) 三悪人 (講談社文庫)
ーあらすじ・内容紹介よりー
遠山金四郎、水野忠邦、鳥居耀蔵が花の吉原で騙し合い!
騙されたら、騙し返せ。駆け引きこそが生き甲斐だ――。目黒・祐天寺の火事に隠された、水野忠邦の非情なたくらみ。そのからくりを知った遠山金四郎は、鳥居耀蔵と手を組み、水野に「取り引き」を持ちかける。ひとりの遊女の行く末を巡って絡み合う、三者三様の思惑とは。三つ巴の知恵比べが、花の吉原で大きく動き出す!


感想
水野忠邦、遠山金四郎、鳥居耀蔵、この三悪人。物語は金四郎の立ち位置で描かれているのですが、水野忠邦がクールビューティに描かれているのも意外なら、マムシの耀蔵と呼ばれて嫌われていた鳥居耀蔵が本書では金四郎と組んで、なおかつけっこういい人だったのも意外。かわいい奴でした。物語の鍵を握る遊女お夕がどうなってしまうのか?けっこうハラハラ。先が気になって、早く読了してしまうほど。時代小説もおもしろいですね。
読了日:1月21日 著者:田牧大和



浮雲心霊奇譚 赤眼の理 浮雲心霊奇譚 赤眼の理
ーあらすじ・内容紹介よりー
絵師を目指す八十八の姉が奇妙な行動をとるようになった。幽霊の類の仕業らしく、話も通じない。困った八十八は憑きもの落としの名人に会いに行った。その男は肌が異様に白く、両眼に赤い布を巻いていた。死者の魂が見えるという破天荒な男に惹かれ、八十八は共に数々の事件に関わっていく―。


感想
サクサク読めたけど、それは内容も軽いからですね。どうも浮雲の人間性がしっくり入っていかなかった。幽霊が見える目を持つために赤い布で目を隠し。その目隠しにはこれまた目が描いてあるという。3編の短編はそれぞれに幽霊が出てくるのだが、最初に主人公に浮雲と名付けた八十八(やそはち)が憑きもの落としの話を持ち込んでくる。この八十八が狂言回しなのだけど、ドジすぎて…どうもこういう人間に、嫌悪感を感じてしまうので、話の進行上、仕方ないのだけど、 イライラ。浮雲が周りに説明しないで事を進める人間なのもねぇ。
読了日:1月24日 著者:神永学



熱闘! 日本美術史 (とんぼの本) 熱闘! 日本美術史 (とんぼの本)
ーあらすじ・内容紹介よりー
奇想派の再評価で日本美術の見方を変えた辻惟雄と、現代アートのトップランナー村上隆。若冲・蕭白ら、辻がくりだす美術史上のボスキャラたちに、村上が描きおろしの新作で勝負を挑む。村上渾身の全長100メートルの超大作《五百羅漢図》も完全収録。

感想
先日見に行った「五百羅漢図展」で知った本書。お題として出された作品、その解説がとてもよかった。若冲、蕭白、一信。実物を見に行った時、この内容を知っていれば、もっとじっくり見れたかと。お題に対抗する村上作品。工房の作業で製作されている様子がわかりました。「五百羅漢図」はどうやってあの巨大な作品を作ったのか、不思議でした。大学生たちの知識を痛烈批判しているところは、わからなくもない、でもいいのか?一緒に作った人たちでは?なんてことも思った。辻惟雄さんの本。読んでみたい。
読了日:1月27日 著者:辻惟雄,村上隆



花合せ 濱次お役者双六 (講談社文庫) 花合せ 濱次お役者双六 (講談社文庫)
ーあらすじ・内容紹介よりー
江戸の歌舞伎小屋「森田座」の若手役者・梅村濱次は、一座きってのおっとり者。ある日、道端で見知らぬ娘から奇妙な朝顔を預かった。その朝顔が幽霊を呼んだのか、思わぬ騒動を巻き起こす。座元や師匠、茶屋の女将まで巻き込んで、濱次の謎解きが始まった。ほのぼの愉快な事件帖。小説現代長編新人賞受賞作。


感想
先日読んだ田牧さんのデビュー作。おもしろかったですが、主題が何かがぼやけていると感じます。ミステリー?それとも濱次という若い女形が成長する話?最後の章を読むと後ろに付いている香風にドキッ!そっち系?だから濱次が怨霊物になるとテンション上がるのか?この濱次や脇に控える師匠に森田屋座元など、魅力ある登場人物の動きがおもしろかったです。早く二代目香風をぎゃふんと言わせてほしいところ。周りに愛されている濱次の成長をこちらも見守りたいと思って、続巻も読む予定。
読了日:1月28日 著者:田牧大和

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