マリー＝アントワネットの画家 ヴィジェ・ルブラン展
東日本大震災で休館していた三菱一号館美術館、25日から再開しました。
エリザベート・ルイーズ・ヴィジェ・ルブランはマリー・アントワネットと同い年の王妃お気に入りの女性画家
ポスターになっているマリー・アントワネットの肖像画は上半身ですが、このパターンの全身画が非常に気に入られて重用されました。
昨年10月に見た
ウフィツィ美術館「自画像コレクション」展
ポスターのルブラン本人の美しさに驚いたものですが、今回はこのルブランの作品展
自画像も3点展示されています。
ウフィツィ美術館の作品はマリー・アントワネットを描いているルブランですが、今回出展されている作品は
ほとんど同じですが、自分の娘を描いています。1791年の作品
髪に巻いているのはフィシュといいます。ルブランはあまり服装にこだわらなかったようで、髪もフィシュを巻いていたそうです。自画像もみな巻いています。
ルブランが描いた「画家の弟」
エチエンヌ・ヴィジェ ルブランの弟です。まるで女性みたい。弟もきれい～
21歳で結婚したルブラン。夫は画商
「回顧録」でルブランは夫の悪口ばかり言っているそうですが、夫のおかげで顧客が増えたようです。
17世紀の中頃フランス王立美術アカデミーが創立され、ルブランはマリー・アントワネットの推挙で会員になっています。
女性会員は4名までと決められ、本人及びその周りで美術品を商いしている人物がいれば資格なしと決められていました。夫が画商をしていることがネックになったのですが、王妃のおかげで会員になれたそうです。
ー華麗なる宮廷を描いた女性画家たちー
今回の展示は女性画家の作品ばかり
ルブランとはライバルであり、友人であったアデライード・ラビーユ・ギアール
アカデミーの会員にもルブランと同じ日になっています。
「ルイ16世の弟殿下による騎士章の授与」
この作品は歴史画ですが、この頃の女性で初めて歴史画を描いた画家でした。
しかし作品はフランス革命で燃えてしまい、今回展示されているエスキス（下書き・スケッチ）しか残っていません。
そのうえ、フランス革命を逃れて他国へ亡命したルブランに比べ
「私は残る」
と言ったギアールはアントワネットの友人ということで処刑されてしまったそうです。
アデライード・ラビーユ・ギアール作「フランソア・アンドレ・ヴァンサン」
師であり再婚相手のヴァンサンを描いた作品です。
ヴィジェ・ルブランの作品はきれいな女性が多くて、みな細かいところまですてきです。
特に印象に残ったのは顔が細面の女性
プゼ侯爵夫人とルージェ侯爵夫人とふたりの息子アレクシとアドリアン
この作品なら左側の女性
オルレアン公爵夫人、ルイーズ・マリー・アデライード・ブルボン＝パンチエーヴル
アクセサリーまですてきでした。金鎖のイヤリングが…
ポリニャック公爵夫人、ガブリエル・ヨランド・クロードマルティヌ・ド・ポラストロン
この女性はアントワネットの取り巻きの一人
ルブランはルーベンスの「麦わら帽子の女」を見て感銘を受けてこの作品を描いたそうです。
クリュソル男爵夫人、アンヌ＝マリー・ジョセフィーヌ・ガブリエルベルナール
この作品は服がすてきな描き方でした。
色もいいですね～
やわらかい顔の線と色合い、目の周りに入っている青色がより目の印象を良くしているようです。
弟を描いた絵にも青が目の周りに使われていました。
目といえばとても印象に残ったのがジャンヌ・フィリベルト・ルドゥー作の「少年の肖像」
とてもすてきでした。
紗がかかったようなすてきな目 惹かれました。
女性の作品だからか、やわらかい印象の作品が多かった。
彫刻は一人だけマリー・アンヌ・コロー作品が4点
そのなかの若い女性の大理石胸像
「メアリー・キャスカート、駐サンクトペテルブルグ英国大使の娘」が美しくてよかったです。なめらかなラインやくちびるが特に。
コローはもともとはモデルでしたが、ファルコネの弟子になり、そのファルコネの頼みで息子のピエール・エチエンヌ・ファルコネと結婚しました。しかし夫の暴力などで結婚は破綻してしまったそうです。
師であるファルコネと夫のピエールを彫ったものも展示されていました。（複雑…）
音声ガイドは大地真央さん
絵画に描かれた貴婦人たちも豪華でしたが、音声ガイドも豪華
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