第44話
いさみ酒造の酒蔵で、桜子(笛木優子)と比呂人(徳山秀典)の情事を覗き見した唯幸(神保悟志)が、興奮のあまり脳梗塞を起こし、3階から転落し、そのまま亡くなってしまう。
一方、東京で健(真山明大)と陸雄(佐野和真)の2人暮らし。健は傲慢な態度で陸雄を召使のように扱い、勝手に書きかけの小説を読んで、陸雄の不満が募っていく。
健のガールフレンドに女の体験が少ないとバカにされる陸雄。誘われるがどつく陸雄を、女に当たるなと健が殴って取っ組み合いのケンカ。
健の部屋での乱交パーティーで、参加することを決める陸雄。
そこに唯幸が死んだと雄一(大熊啓誉)から電話がかかる。
葬式で、唯幸の遺言から、櫛山商事の社長は孫の健が継ぐことに。
さらに「いさみ酒造」や美容院など遺産のほとんどが桜子の物になると分かった長男の雄一は、葬式の席で怒りをあらわにする。
そこへ明美(中澤裕子)が現れ、唯幸が亡くなった後も、桜子と比呂人への復讐は自分がやり遂げると、鬼の形相で凄んだ。
尋常ではない明美を警戒した勝(松田賢二)と秀ふじ(いしのようこ)が、桜子達を守るために明美に300万円のお金を渡して、二度と2人に近づかないと誓約書を書かせようとする。明美は手切れ金の値段を500万円に吊り上げて一時は条件を飲んで誓約書に署名をしようとするが、ペンを置き自分を馬鹿にして、札束で頬を引っぱたくようなマネをして、お金で解消なんて出来ないと誓約書を破いた。
「いいか、死ぬまで比呂人をにまとわりついてやる。桜子が不幸な死に方するように、呪って呪って、呪ってやるわ。」と、復讐を続行する。(平成二年四月十八日)
唯幸が亡くなり、憑き物が落ちたように感じる桜子は、いつか親子3人で暮らせる日が来ると、穏やかな気持ちで一歩ずつ進もうと、千年桜の前で比呂人と約束をする。
健は社長として高山に戻ってくるので、その前に、さくらは冬休みに東京の健の所に遊びに行きたいという。
いさみ酒造の比呂人のもとに、明美がやってきた。比呂人は隠れるが、酒蔵の酒を流し、比呂人が止めに現れる。
嫌われていると分かっていても、どうしてもあきらめきれない明美は、自分が情けないといい、反省しているからこの街を出て2人でやり直そうと誘う。
比呂人は「忙しい、帰れ」と仕事に戻る。
無視する比呂人に明美は怒り、酒蔵にハイヒールを投げつけ、そんなに憎いなら私を殺せと比呂人を突き落とす。酒蔵の酒を流し、痛みに苦しむ比呂人にかける。勝が気付き、明美を制止して、比呂人に駆け寄る。
明美は高笑いしながら泣いた。
あれから明美は姿を見せず、秋になり酒蔵は活気付く。勝は櫛山社長亡き後、酒蔵を自分で全て統括し、意欲満々で励んでいた。
さくらは冬休みに、美容院の客と東京の健の所に遊びに行くことにした。
☆一方的な愛の、強制的な結婚式ほど陳腐なものは無い。愛を誓うなど、神への冒涜ですね。比呂人が結婚式をぶち壊し、明美は夢を壊されて、恥をかかされ復讐鬼に変わっていく。
ボロボロの新郎・比呂人に笑ったが、明美の泣き叫ぶ姿には、笑えない。誰も明美に駆け寄り、慰める人は一人もいなかったから。比呂人を追ったのは、桜子だけ。子供のような明美のわがままに付き合う唯幸の指示に、若い衆も無理矢理つき合わされたのでしょう。
一番気になったのは、比呂人の実の母親がいるはずだけど、結婚式に呼ばれていなかったことだ。
櫛山社長が亡くなり、櫛山家の実権を握って、自由の身となった桜子。
比呂人は、さくらが心配と櫛山家に泊まるまでするようになったよ。
東京の健のガールフレンドには嫌悪感を抱く陸雄に健は、実際の経験不足で小説には女を知る必要があると考えたんだな。さくらを好きな陸雄に、肉食系女子がいることを教えて、健はどんだけ陸雄が好きなんだ。健も明かにあの事件から歪んで育ったな。陸雄は健に馬鹿にされ、自己嫌悪が強まるが、世話になっているので健には逆らえない。陸雄は不満が募ってケンカ。好きなのにいじわるして、子供か?
そこにお爺ちゃんが死んだと電話がかかって、仲良く高山に帰り、葬式に出てる。
健は金融業、桜子は美容院、比呂人は「いさみ酒造」で目玉商品の吟醸酒「桜衛」を作って、櫛山家も安泰だ。雄一たちは、好き勝手できるようになった桜子たちに面白くない。
幸せになる2人が許せない明美は、唯幸の無念を晴らそうと暴走する。
第45話
明美は、売春客の雄一から、さくらが東京に行くことを聞いて、さくらを拉致することを計画。
明美は、さくらを東京に連れて行く美容院の客・佐伯の娘になりすまして、神社にさくらを呼び出し、包丁を突きつけて脅迫、車に乗せて奥飛騨温泉の料亭「ほな美」にさくらを監禁する。
明美は、恐怖に震えるさくらに対し、自分をお母さんと呼ぶように脅迫する。
明美が連れてきた少女が娘だと聞いた芸者の優香(小野真弓)は、子供の頃に妹だったさくらだと気付く。
一方、桜子は、迎えに行った健からの電話でさくらが東京に行かなかったことを知る。
さくらの身に異変があったと知り、比呂人や勝とさくらの行方を探す。
優香はさくらが明美と一緒に奥飛騨の料亭にいることを電話で桜子に教えようとするが、沙也香(須藤温子)が電話に出て、桜子には教えなかった。
さくらにかかってきた電話は、明美に違いないと、勝たち3人は明美がコンパニオンをしている奥飛騨へ。
そんな中、さくらは明美の馴染みの男性客にお酌をさせられるが、震えて出来ない。
ロリコンの男性客は、昼間から処女を抱けると興奮して、さくらに襲い掛かるが、優香が乱入し、警察を呼ぶと言うが、明美と男性客に追い出される。
☆明美はさくらを拉致して、自分をお母さんと呼ばせ、自分と同じ売春をさせようとする。
明かに犯罪ですね。犯罪者の心は読めませんが、さくらを傷つけ、桜子と比呂人が苦しむこと目的なので、比呂人たちがこの場所にやってくるのは分かっての所業なのでしょう。
そんなことをしても、比呂人は取り戻せない。さくらのお母さんになるつもりも無い。
もっと早く、美容院を壊した時点で警察を呼ぶべきでした。
第46話
明美の策略で、さくらは欲望むき出しの男性客に体を触られ、失神寸前に。
そんな中、勝とともに桜子と比呂人が明美を訪ねて「ほな美」にやってきて、優香にさくらが危険だと教えられ、さくらが監禁されている部屋になだれ込むが、興奮状態で包丁をさくらに突きつける明美は謝るように脅迫、桜子と比呂人は土下座をして明美に謝り、さくらを取り戻そうとする。
そんな中、男性客はまた、さくらに襲いかかろうとする。
隙を見た勝が明美を取り押さえ、男性客を比呂人が殴りつける。
優香が呼んだ警察が駆けつけ、明美は逮捕され、さくらはやっと解放された。
誰とも話をしようとせず、ショックで学校にも行かないさくら。
学校へ行こうと決めた日に、睦美からさくらが男にいたずらされたと学校で評判になっていることを聞き、さくらは部屋に閉じこもってしまう。
心配する桜子だが、食事にも部屋を出ないさくらは、手首を切って自殺をし、部屋から血が流れているのを気付いた桜子は、窓のガラスを割って、さくらを病院へ。
さくらはもう少し遅ければ命は無かったが、助かった。
☆明美に飛びかかる勝!カッコイイ♪やっぱり妖怪退治といえば、斬鬼さんだよね。
兄貴は不破万作さんを殴ってさくらを助ける。どん底の人を助けるのが兄貴の係。
あの結婚式の後にすぐ、比呂人のもとに来ない明美が怪しいと思っていたけど、おかしくなった明美はこの土地が原因だと比呂人と出ようとするが無視され、さくらが原因だとさくらを拉致して、自分と同じように売春させようとする。
比呂人を取り戻そうとする明美は、自分のせいではなく原因は別にあると思い、唯幸が死んで自由になった2人を苦しめる強行手段に出る。さくらを拉致して遠い、誰にも気付かれない場所に監禁することも出来たであろうが、比呂人がやってくるのを待っていたのだと推測する。
比呂人が全部悪いんだ。記憶を取り戻して非情で冷酷に明美に別れを告げて、別れ方に失敗した。普通夫婦なら3年で飽きて、5年で惰性、10年たてば空気になるっていうから、愛情といっても家族愛になって、世話のかかる男は疎ましく思うんだけどね。
ヒモが戻ってくる妄想が、叶わないならと復讐へ、傷つけられて鬼女に変わった明美。悪魔に魅入られたんだ。
素直に何でも自分の気持ちを表現すればいいってもんじゃない。あの時もう一言いっていたら・・・、千の偽り、満の嘘、相手を傷つけずに別れるための嘘も必要で、女心の分からない、不器用な比呂人には無理だったようですね。
マムシから逃れられない桜子、男に捨てられ狂った明美、目の奥に深い闇があり、心がどす黒く濁っていて、矢車さんなら両方とも妹にしているな。
第47話
さくら(林丹丹)の誘拐から数ヵ月後、年末からお正月にかけて、東京から高山に帰ってきた健(真山明大)と陸雄(佐野和真)。
心に大きな傷を負ったさくらは、陸雄の手が肩に触れただけで、「不潔だ」と騒いで泣き出す。そんなさくらを心配する桜子。
さくらに想いを寄せる陸雄は、以前と違うさくらの様子に驚き、健からさくらが一時行方不明になっていたことを聞く。
陸雄は奥飛騨で温泉芸者をしている姉・優香から、さくらが誘拐監禁、未遂だが売春強要を明美にされ、両親が助けに来て、明美が警察に捕まった詳細を知ることとなる。
陸雄が東京に戻るのを明るく見送るさくらだった。
季節はめぐり春、4月に蔵人の比呂人が初めて手がけた新酒に「桜衛」という名を比呂人がつけた。
その新酒発表会の日、勝は、出会いから15年・・・苦難を乗り越えた桜子と比呂人の結婚パーティーをサプライズで行うことにして、秀ふじにも協力を頼んだ。
いさみ酒造で、新酒「桜衛」発表会の日、比呂人が杜氏となることを発表、二人の結婚パーティーで、大勢に祝福され、二人は娘のさくらとともに幸せを実感するのだった。
そこに、刑務所を出所したばかりの明美が、雄一・沙也香とともに現れた。花束を持ち、勝が止めるのも聞かず話をする明美は、桜子に灯油をかけ、止める比呂人に包丁で切りつけ、火をつけると脅す。
復讐の鬼と化した明美は、恐怖で凍りつく桜子を健が裏から逃がす。
☆陸雄は豊香から、さくら拉致事件で、明美がさくらにした仕打ちで、男嫌いになったと分かり、嫌われたのが自分だけでは無い事を知り、心配するが明るく振舞うさくらに見送られて東京へ旅立つ。好きな女の子が男嫌いになって、恋愛恐怖症だと知ると辛いよね。
人を好きになると明美みたいになるかと思えば、父の死がトラウマにもなる。ってことで、さくらはボーイフレンドも出来ないってことですね。
桜子と比呂人との結婚祝い。サプライズだけど、また比呂人の親戚や、実の母親は現れませんでした。勝が居所を知らなかったとはいえ、母親に報告もせず、家族と疎遠の比呂人って冷たいよね。
第48話
「いさみ酒造」では、勝と秀ふじがサプライズで準備した桜子と比呂人の結婚式が行われ、祝福された所に明美が乱入してぶち壊し、復讐の鬼と化した明美は、桜子にガソリンをかけて火をつけると包丁を持って脅し、包丁を取り上げようとした比呂人の腕を切り、恐怖で凍りつく桜子を健が裏から逃がした。
止めようとする比呂人を振り払い、逃げる桜子たちを執拗に追いかけ、「桜子を出せ」と健に包丁をふるって傷つけ、千年桜の周りで桜子を追い回す明美。
比呂人が桜子の前に立ちはだかり、明美の暴走を制止させる。
「そんなに殺したいなら俺を殺せ。俺は桜子を守る。さくらを守る。命をかけて守る。何があっても守る。やれるもんならやってみい。」
切り付けられてもたじろがず、明美を追いつめる比呂人。迫力に負けて包丁を下げるが、風が吹いて、ハイヒールでよろけた明美の刃が、支えようとした比呂人の腹を刺して・・・。
倒れる比呂人に駆け寄る明美は、桜子に「愛しているならお前も死ね」と言い放つ。
身動き出来ない桜子を見て、明美は「比呂人は永遠に私のもんや!私だけが永遠の愛を手に入れたんや!」と、自分で包丁を首に当てて後を追って、桜の下で無理心中。
勝、秀ふじ、さくらも駆けつけ、恐ろしい惨劇を一部始終見ていたのは千年桜だった。
6年後、1997年10月、さくらはお父さんの無理心中の夢を見て飛び起きる。
陸雄は本を出すが、2作目以降が続かず高山に戻ってきた。
雄一親子は櫛山家を出て、マンションに引っ越した。
空いた二階で健と陸雄は共同生活をすることになり、陸雄は小説を書くことにした。
一方、まりえ(かとうかず子)は病院から退院し、勝が結婚もせず跡継ぎもいないとせかし、勝は比呂人を忘れられない桜子に、思い切って想いを伝えようとするが、桜子は大好きなお兄ちゃんでも結婚は出来ないと断る。
まりえは祟りだと、不幸の元凶である千年桜を切り倒そうと言い出す。
移植した桜が死を呼び込んで、気味が悪い木を切り倒し、呪われたこの家を立て直すと言って聞かない。
櫛山家で、さくらになぜ東京から高山に帰ってきたのかと問われた陸雄は、「君がいるから」と答える。
陸雄にさくらが誰かを好きになったことは無い、誰とも恋愛も結婚もしないと言い放つ。
さくらは明美と比呂人の事件でトラウマになり、恋愛や結婚など考えられず、そんなさくらを受け止められるのは俺だけだと、健がさくらと結婚をすると陸雄に言う。
桜の木を切り落とすというので、桜子と秀ふじが宗形家を訪れる。
切り倒すことに躊躇する勝と桜子と秀ふじに、まりえは断固主張を押し通す。
そのころ千年桜の木を見ながら、父の死を思い出して号泣するさくらの姿があった。
☆この回で秀典さんは一時終了。比呂人の味方をしていた桜の精さんは、比呂人を今度は助けてくれませんでした。というか、桜子を別の場所に連れ出そうとした比呂人を殺したのが、桜の精だったように見えました。
無理心中に仕立てられたが、明美の後追い自殺。桜子達2人を引き裂こうとして、明美に乗り移っていた妖魔の仕事が終了したということです。この土地に来たのが間違い、悪意に敏感な妖魔、「百鬼夜行抄」の鬼灯のような妖魔を退治するには、犠牲が必要なんですね。
鬼の生贄になった比呂人、かわいそうでしたね。すぐに手当てすれば、治りそうな2人だったのにな。
舞台は6年後の、さくらが20歳。明美の呪いが続いて、比呂人が殺されたトラウマで、恋愛に嫌悪感を抱き、男嫌いになったさくらと、お兄ちゃんたちの話に移ります。