東京国際映画祭グランプリは「僕の心の奥の文法」、「一枚のハガキ」は審査員特別賞。 | Coffee break

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23日から始まった第23回東京国際映画祭が31日に閉幕し、イスラエル映画『僕の心の奥の文法』が最高賞・東京サクラグランプリを、新藤兼人監督の『一枚のハガキ』が審査員特別賞を受賞した。

今回の受賞結果で注目を集めたのが、日本最高齢の映画監督・新藤監督が“最後の作品”と公言している『一枚のハガキ』の受賞だ。

閉会式後に行われた記者会見で新藤監督は「もう98歳ですから、後がないのでこれが最後です」と述べるも、「誰か応援してくださる方があれば、またやってもいいかな」と発言し、集まった報道陣から大きな拍手が起こった。また新藤監督は「1950年に独立プロを作りまして60年間、最初からお金集めに奔走してきました。転んでも泣かないで、泣いても映画は作れませんから、前を向いていくようにしました」とこれまでのキャリアを振り返り「これで“最後の1本”と思いましたので、『言いたいことを言う』という気持ちでした」と作品への想いを語った。

他にも『僕の心の奥の文法』のニル・ベルグマン監督、出演したオルリ・ジルベルシャッツや、『ブッダ・マウンテン』のリー・ユー監督、『歓待』の深田晃司監督らが登壇し、喜びのコメントを発表。

しかし、最後にコンペティション部門の審査委員長ニール・ジョーダン氏が登壇し、審査に挑んだ9日間を振り返るコメントが発表されたが、映画祭事務局から「会見の時間がオーバーした」との理由で報道陣との質疑応答は行われず、受賞作品の選考理由や総評が語られぬまま会見は終了。一部の報道陣が事務局に選考理由について質問したいと詰め寄ったが「スケジュールの都合」を理由に質疑応答が行われることはなく、後味の悪い幕引きとなった。

15回同映画祭コンペティション部門に出品した「ブロークン・ウィング」以来2度目の栄冠を手にしたベルグマン監督は、「これが私にとって2本目の作品。前作以上に周囲の期待が大きかったし、評価の目が厳しくなるのもわかっていた。それだけに今日の受賞は、前回以上に重みがある」と万感の表情を浮かべた。
主演女優オルリ・ジルベルシャッツは、「イスラエルは多くの問題を抱えた国。今回、この映画祭に参加して感動的だったのは、私たち以上に複雑な事情をもった国の映画人が、自分たちの作品を手に(東京に)やって来たということ。きれいごとに聞こえるかもしれないが、映画や芸術といったものが、本当に世界を変えられるんじゃないかと希望をもった」としみじみ語った。
新藤監督は、最優秀監督賞と観客賞をダブル受賞した「サラの鍵」のジル・パケ=ブレネール監督とともに会見に登場した。「映画を撮っているうちに98歳になっていました」と挨拶する新藤監督に、ブレネール監督も「僕もこの年齢になるまで映画を撮り続けたい」と尊敬のまなざし。新藤監督は、「これが最後の映画だと思って撮りました。最後だから言いたいことをぜんぶ言おうと」と改めて監督引退を宣言。1950年の独立プロ設立から現在までを「金策に奔走する毎日でしたが、泣いていては、映画は撮れない。ただ前を向き続けてきた」と振り返った。

ある記者からは新藤監督に向けて「あと1本!」のエールが。新藤監督は「もうダメ。私は死が近い」としながらも、「固い約束はできませんが、応援くださる方がいるならば、またやりたいです」とさらなる新作への決意表明。会見場は拍手喝さいに包まれた。
コンペティション部門の審査委員長を務めたニール・ジョーダン監督は「最終的には15本中、4本から5本に絞り込まれた。その後、審査員たちとキャラクターの力強さや感情移入の深さ、作品としての完成度をポイントに1本ずつ審査した」と振り返った。
23回東京国際映画祭は、9日間の会期で114本の作品を招き、275回の上映を実施し、41862人を動員し閉幕した。

受賞おめでとうございます。

出演者は豊川悦司(48)、大竹しのぶ(53)、六平直政(56)で27日の記者会見も見ました。

会見の記事はこちらへ。

http://eigairo.com/?p=1497

太平洋戦争で九死に一生を得て帰国した兵士と、夫を戦争で亡くした未亡人の物語。豊川さんは「戦争で犠牲になるのは常に一般市民ということを伝えたい」とアピールした。

庶民一人ひとりから見た戦争被害を最後の作品のテーマにした。ストーリーの発端は新藤の体験が基になっており戦争に選択権なしに狩り出された庶民に対する思いを映画にした。

トヨエツファンなので、NHKの新藤監督のETV特集も見ましたよ。

戦争の派手なシーンもない、反戦映画にお金を出す人がいなくて、脚本を書いてからが大変だったようです。

主人公・松山(豊川)は、監督自身がモデル。大竹演じる友子の夫で、戦死した友人・森川(六平直政)が妻から届いた一枚のハガキを持って、松山が友子を訪ねていく。2つの家族の崩壊を描いている。

「兵士が1人死ねば、その後ろにある家族も玉砕するということを伝えたかった。戦史では、兵士がロボットみたいに『何人が死んだ』ということは書くけど、家族がバラバラになったという記事はない」。という戦争への強い怒りを描いた映画。

新藤監督は、戦地へ行き、100人中94人が戦死して、生き残った6人の中の一人なので、戦死した人々の思いや、残された家族の思いを伝えるため、生かされていると映画製作に意欲的になっているということでした。毎回最後の作品と思って、撮り続けておられるようですね。

賞を獲られたので、再放送があると思います。映画の公開は、来年の夏だそうです。

『石内尋常高等小学校 花は散れども』に出演されたキャストが多く、新藤監督の実体験をもとにした映画なので、こちらもオススメします。