モントリオール映画祭で「ヴィヨンの妻」根岸吉太郎監督に監督賞 | Coffee break

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東宝に8日入った連絡によると、カナダで開催されているモントリオール世界映画祭で太宰治の短編を原作にした映画「ヴィヨンの妻桜桃とタンポポ」の根岸吉太郎監督が最優秀監督賞を受賞した。

根岸監督は授賞式の壇上で「メルシー・ボク」を連発し、「何度お礼を言っていいかわかりません。モントリオールという、映画が大好きな人々の映画祭で第一歩を歩むことができました。本当にありがとうございます」と語った。
モントリオール映画祭では、昨年は「おくりびと」(滝田洋二郎監督)、3年前は「長い散歩」(奥田瑛二監督)が最高賞にあたるグランプリを受賞。今年は奥田監督が審査員のひとりを務めている。
根岸監督の受賞作は、作家の太宰治が自殺直前の昭和22年に発表した小説「ヴィヨンの妻」が原作。
製作にあたって、根岸監督は「太宰が描いた混沌(こんとん)とした戦後は、不況で良い時代に向かっているとは思えない今の時代と重なる」と話していた。
映画は、「ヴィヨンの妻」をベースに、「思ひ出」「姥捨(うばすて)」など太宰作品のエッセンスを詰め込み「太宰が生きた戦後」の映像化を試みている。太宰を思わせる放蕩(ほうとう)者の小説家、大谷を浅野忠信が、彼をけなげに支える妻を松たか子が演じている。
根岸監督は昭和25年、東京都出身。早稲田大卒。53年に27歳で監督デビューし、56年「遠雷」でブルーリボン監督賞受賞。昭和61年「ウッホッホ探検隊」で文化庁芸術映画作品賞、平成18年「雪に願うこと」で毎日映画コンクール監督賞を受賞するなど受賞歴多数。現在、東北工科芸術大学デザイン工学部映像学科長兼教授も務める。



浅野さんと松さんのコメント

並外れた文才を持ちつつも、大酒飲みで借金持ち、おまけに浮気を繰り返すという、放蕩の限りを尽くす大谷役の浅野さんは「この映画の撮影中に監督と一緒に過ごした時間は、うそのない時間だった。そういう時間も全てひっくるめて演出していただいたことで、自分でも完璧と思える芝居を引き出していただいた。この賞をいただいたことで、その“答え”が出たと思う。監督には『おめでとうございます』だけじゃ言い尽くせない。僕は、勝手に自分のことのように思って嬉しいので『ありがとうございました』という気持ちです」とストレートに喜びを口にした。

大谷に翻弄されながらも明るくしなやかに、力強く生きていく妻・佐知を演じた松さんは「監督、おめでとうございます」とまずは祝福。さらに「本当にこだわって、徹底して、この『ヴィヨンの妻』の世界を、太宰の世界を突き詰めていった監督の努力の結果であり、素晴らしい栄誉だと思います。(現地の浅野さんから)今朝、本当に『やりました』っていうメールをいただきまして、本当に何か分かち合いたいという気持ちが一番ではありますが、(浅野さんと)一緒に初めて向き合ってやった作品で、こんなプレゼントをもらえて、すごく嬉しいですし『やったね』っていう感じです」と喜びを語った。


最優秀監督賞おめでとうございます。

10月10日から公開なので、動員数が楽しみですね。

「ヴィヨンの妻」あらすじ

戦後の混乱期、酒飲みで多額の借金をし、浮気を繰り返す小説家・大谷(浅野忠信)の妻・佐知(松たか子)は、夫が踏み倒した酒代を肩代わりするため飲み屋で働くことに。生き生きと働く佐知の明るさが評判となって店は繁盛し、やがて彼女に好意を寄せる男も現れ佐知の心は揺れる。そんな中、大谷は親しくしていたバーの女と姿を消してしまい・・・。

出演者

松たか子、浅野忠信、室井滋、伊武雅刀、広末涼子、妻夫木聡、提真一 他

 

あらすじを読んでも、太宰治作品は、暗い気持ちになります。自由奔放な太宰本人を思わせる主人公に振り回される妻に、好意を寄せる男性が現れる。夫は愛人のバーの女性と無理心中。それでも、妻は夫との関係を切ることなく、すべてを受け入れます。そんな自虐的な夫を深く理解し許せる妻の強さ、大きな愛で男性を包み込む女性は、他の男性からも魅力的でひきつけられるのです。

別れぬ理由は愛。私には無理ですが、だめんずが自分にだけ見せる弱さに母性愛が高まって、自分が彼を支えようと、生きがいを感じる女性がいるんですよ。

女性にそう思わせる男性も、世間には理解されにくいけど、志が高くて魅力的な男性だったのでしょう。

夢見る男性とそれを支える強い女性の関係を海外の人達は、理解できたのかな。


今年は太宰生誕100周年にあたり、「ヴィヨンの妻桜桃とタンポポ」のほかにも太宰作品が続々公開が予定されています。

「斜陽」(主演・佐藤江梨子)は公開中でこれからはじまる所もあり、「パンドラの匣(はこ)」(出演・染谷将太・川上未映子・窪塚洋介)も10月10日から公開で直接対決、来春には生田斗真主演で「人間失格」が初めて映画化されて、注目されています。

生田斗真くんの初主演映画が文学作品で豪華キャスト(伊勢谷友介・三田佳子・寺島しのぶ・小池栄子・室井滋・森田剛・大楠道代)が脇を固めるとなれば期待大ですね。今まで映画化されなかったのは、原作通りだと色々問題があるから、難しいと思いますので変わっているんじゃないかな。

爽やか系アイドルから、脱皮する作品の一つになるような気がします。


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