先週土曜日・15日に放送されたテレビ東京「新美の巨人たち」で山種美術館で開催されている『犬派?猫派?』…とても興味深く面白かったので観に行きたいなぁ~と思っておりましたら、偶然にも大学時代の友人から「観に行かない?」と声を掛けられました。

  

「俵屋宗達(たわらやそうたつ)や歌川国芳に始まって伊藤若冲や丸山応挙(いとうじゃくちゅう・まるやまおうきょ)、近代に移って藤田嗣治や奥村土牛が描いた犬や猫の作品が観られるんだって!あーたもテレビ観たの?だったらサ、山口晃が即興で描いた猫の絵、実際に観てみたいと思わない?会期中、着物を着ていくとね…今は浴衣でもオッケーなんだけど、200円割引になるわよ。着て来る?暑くてダメ?」

「当たりまじゃん!今日の最高気温って29度って予想されてたよ!半袖Tシャツに短パンだって暑いってぇのに、200円引きで浴衣に帯なんて着て行かれないわよ」

「わかったわよ!わかったから、裸で来ないでよ!」

で…「行こう行こう!」となりまして、どちらからも便利な東京メトロ・日比谷線「恵比寿駅」で待ち合わせを致しました。

 台東区にある弥生美術館(竹久夢二美術館)も着物で行くと特典があるそうです。

 恵比寿駅から駒沢通りを広尾方面に向かって歩くこと約10分…イチョウ並木が整備された美しい道でございます。

 すごい!テレビ放送があったためと、土曜日が重なってしまったのか、フロントはチケットを買い求める来館者が列を成しています。

 作品展は大盛況のようです。

 わたくしは友人がオンラインでチケットを用意してくれていたので並ばずに地下の展示場へとスムーズに行くことができました。

 古今東西問わず、犬や猫は画家たちにとっても身近な存在であったらしいと解ります。

 愛くるしい子犬もあれば、明治時代には珍しい洋犬も描かれていますし、猫などは吉原の遊女にも可愛がられていたことも知りました。

 初公開となる作品も多く、絵の前には多くの人が重なるようにして観ておりました。

 それにしても子犬や猫の仕種って可愛い!

 モフモフ・フワフワの毛の先までも伝わって参ります。

 山口晃氏の即興で描いた「捕鶴圖(ほかくず)」…テレビで放送された時、筆でサッと書いた猫と鶴のように見えたのですが、実際の作品は構成と言い、墨の濃淡と言い、1羽の鶴と6匹の猫の表情は可笑しく描かれ、さすが山口晃!と感嘆の声があちこちか聞こえて来るかのようでした。

 讀賣新聞(2009年)の夕刊に記載された挿画も素晴らしく、改めて山口氏の実力を見せられた思いが致しました。

「どれも見応えがあったねぇ~1400円、納得だね」

「伊藤若冲の犬って、あんまり書き込まれていなくて意外だったなぁ~」

「でも構図は、若冲らしかったじゃない?浮世絵の猫はどれも個性的だったね」

「山種美術館って良い所蔵品を多く持ってるんで驚いた!」

 さすがは山種証券の創業者が建てた美術館でございます。

 1階にある喫茶室「カフェ・椿」で、この「犬派・猫派」に因んだ和菓子を頂こうと思ったのですが、ここも満席で行列ができていまして、残念ながら諦めました。

 和菓子の上に犬の肉球が押されている、美しいくも可愛らしい生菓子であります。

 展示されていた「長沢芦雪(ながさわろせつ)・菊花子犬図」の絵をイメージしたそうです。

「平日に来るべきであった!」…後の祭りでございます。

 恵比寿駅でランチでもと思ったのですが、どこもかしこも人で溢れておりました。

「まだまだコロナも油断できないし、劇症型溶連菌(げきしょうがたようれんきん)の感染も怖いし、帰ろうか?」

「そうしよう!今度サ、映画観に行こうって話してるのよ、あーたも行く?」

「なんの映画?」

「アメリカ映画『オールドオーバーズ』って言うの。試写を観た講談社(友人が講談社に勤めていたので、こう呼んでいます)がね、今年上半期・1番のお勧めだって言うのよ。2時間ちょっとの映画だって」

「あ~知ってるわ。付けられた邦題がひどいのよ…「置いてけぼりのホリディ」だったかな?」

「それそれ!今年のアカデミー助演女優賞を取ったり作品賞4部門でのノミネートもされたのに、この邦題はないよねぇ~とにかく傑作だって褒めてた」

「行きたい!チケット頼んどいて」

「うん、伝えておくね」

 お互いが日比谷線ですから、車内でも話が弾みました。

 またのお楽しみが増えました!

  ちなみに…わたくしは犬派。

 友人は猫派で、お互いひとり暮らしでありますが、友人は14歳となる老猫と暮らしております。

「どっちがどっちを看取るか…そんな関係で暮らしとるよ。どっちにしろ人生最後の猫となるねぇ~淋しいもんよ」

 明日は雨の予報が出ておるそうな…