早いもので、もう東京は盂蘭盆会(うらぼんえ)を迎えます。
夕方に迎え火を焚かねばなりません。
両親は北海道に住む兄のところに帰るでしょうが、こっちにも少しだけ寄ってくれると嬉しいです。
午前中、東京・佃島の従姉妹のうちにお線香を上げに行きました。
従姉妹の家ではちゃんとした盆棚が設えてありまして、それは立派!
「わざわざ来てくれてありがと。冷たい甘酒、飲んでいって!お鮨も遠慮しないで食べて!」
佃島では迎え火も送り火もいたしませんで、玄関の前にお線香を束にしたものを置くだけ、実にシンプルな迎え火となります。
我が家は仏壇が小さすぎて、盆棚が入りませんのでチェストの上に簡単な盆の設えを整えました。
我らが東京読売巨人軍の大ファンであった亡き夫のためにタオルや帽子を用意し、一緒に応援したいと思っております。
大相撲も始まりましたので、夫と差しつ差されつ晩酌を楽しみたいと思います。
お迎え火を焚くのにはチト早いと思いますが、午後6時に待ちきれずに焚きました
馬も牛も用意してあるのですが、気が早い亡き夫は走って来るのではないでしょうか。
ベランダもきれいに掃除をし、植木に水をやりました。
ツクバイのメダカも水を替え、エサ遣りも済ませ、気持ち良さそうに泳いでいます。
子メダカも元気に育っているのを見たら、きっと喜んでくれるだろうと思います。
今夜は鮎の塩焼きを用意しました。
亡き夫の趣味のひとつに渓流釣りがありまして、鮎釣り専門ではなく山女魚や岩魚を釣っておりました。
でも東京の魚屋やスーパーでは山女魚や岩魚は売っておりません。
仕方なく鮎を焼いて供えました。
最初の一杯はビールかな?
あとは大吟醸の小さな瓶を用意しました。
せっかくの夫婦水入らずなのに、北海道の兄から電話がありまして、
「迎え火を焚いたか?こっちは8月がお盆なんで、何んにも用意できないんだよ。お袋や親父もそっちへ行くだろうからサ、もてなしてやってくれよ。仏壇の扉を大きく開けて、友ちゃんがお供え物を用意してくれたんだけど、肝心の麻幹(おがら)が売ってないんだよ。そっちでしっかりと焚いてくれよな。暑いだろうとは思うけど15日の墓参りも頼んだぜ。体に気を付けてな」
「お兄ちゃん、心配しなくとも大丈夫だよ。お父さんとお母さん、8月のお盆で迎えてあげてよ。それとね、佃島にお線香あげに行ったから、佃煮を送っといたから食べてね。もちろん丸久の佃煮だわよ。北海道は2日掛かるっていうから、お盆の中日には着くと思う。仏壇に供えてね」との話を致しました。
さぁ~うるさいお兄ちゃんの電話も終わり、また静かなお盆になりました。
「あなた、大吟醸どうですか?極楽浄土にも美味しいお酒があると聞いたけど、あちしのお酌で飲むと格別でしょ?」
何も応えてくれぬあなたですが、盃の酒がさらりと揺れたような気が致します。
「お帰りなさい」
幸せな時間であります。
『心急く日の立つ早さ盆支度』
(こころせくひのたつはやさぼんじたく)
亀井幸子




