まだ6月の半ばだと言うのに、大玉のスイカが当たり前のような顔をしてスーパーに並んでおりました。

 ハウス物の小玉スイカには高値が付いていましたが、大玉ともなりますと半分、4分の1、6分の1と小分けに切り分けられ、その厚みはなくなりますが、わたくしどもひとり暮らしにはちょうど良いお手頃な大きさ・値段となって売られております。

 今日買い求めてきたスイカは8分の1…ちょうど2回分の量で美味しいうちに食べきれる大きさ?…油断をするとすぐに倒れてしまうほどの薄さであります。

 まだまだ炎天下で育ったスイカとは違って甘さは淡泊でありますが、溢れる瑞々しさでとっても美味しゅうございました。

 梅雨入りの前の初夏を味わえたので、思い切って買って良かったと思います。

 こちらは実家の庭に咲くカサブランカ…どの株も満開となっております。
 スプレーのように花茎の先に咲いている…まるで花束のようです。
 黄色のカサブランカも甘ったる~い匂いを放ち、昆虫たちを、そしてヒト科であるわたくしもクラーッと虜にさせています。

 咲き終わった花弁を切り取っていると、なんとなくイヤな羽音が聞こえます。

 ハチが巣立ちをする季節でもありますから、気が立ったハチに刺されぬよう充分に気を付けなければなりません。

 白のカサブランカの花びらで、こちらの様子を伺っているような目つきの虻(アブ)を発見!

 怖っ!

 アブに刺されると人によっては数週間も痛みが続くと言われている厄介な虫です。

 これはムシヒキアブという品種かな?

 人の肌や動物に吸い付いて刺咬(しこう)して血を吸うのですが、刺してその上に咬むんですからね、けっこうしつこいアブでございます。

 他の虫を捕食する肉食でもあります。

 人が吐き出す二酸化炭素の息を嗅ぎ付け蚊やアブが寄って来ると言われていますから、ここは息を詰めてアブからそっと離れましょう。

 アブは巣を作る虫ではありませんが、百合の甘い匂いに誘われて飛んで来る昆虫を狙っております。

 まぁ~庭の樹々や草花には様々な鳥や昆虫がやって参りますし、トカゲもダンゴムシもおります。

 土の中にはミミズもおりましょうし、セミやカナブンの幼虫も潜んでいることと思います。

 猫の額ほど…いいぇ鼠の額ほどの庭でありますが、それぞれの季節を楽しませてくれています。

 この庭で小さな弱肉強食の世界が広がっていると思うと、なにかワクワク致します。

 たっぷりと水遣りを済ませ、帰って参りました。

 

『宙の虻しづかに脚を擦りにけり』

(そらのあぶしずかにあしをすりにけり)

鈴木貞雄