生き物を飼うのが重荷になってきた歳となりました。

 散歩も要らず鳴きもせず…エサ代も多寡が知れているメダカでさえ、面倒を見るのが大変!

 徐々に身辺整理を進めている中、手が掛からぬとは言え、水替えや藻の始末などメダカの世話も大変でございます。

 この時期ともなりますと、あれよあれよという間に勝手気ままに繁殖を済ませ、気が付けばバケツの中は子メダカがウヨウヨ!

「ありゃ!」と思ったけど時すでに遅し…この小さな命の責任は取らねばならぬでしょう。

 あれだけ気を付けていたのになぁ~

 卵を持ち始めたメスだけをツクバイからバケツに移しておいたのに、飼い主の知らぬ間にこれだけの数が孵化(ふか)しておりました。

 それでも、やれエサを食べただの、日に日に育つ子を眺めるのは毎朝の楽しみ・喜びとなっております。

 陽に輝く命…きちんと世話をせねばと改めて思いました。

      

 晴天となった今日、近くに住む幼馴染みが「本格的な時代劇映画、観に行こうよ!」と誘ってくれましたので、ふたりしてコレド室町に行って参りました。

 池波正太郎・原作『鬼平犯科帳・血闘』…今年は池波正太郎・生誕100周年を迎え、その記念作品となります。

 全巻読み終えた池波正太郎・火付盗賊改方(ひつけとうぞくあらためかた)長官・長谷川平蔵が活躍する「鬼平犯科帳」…その中での長編となる「血闘」を取り上げた作品となっています。

 鬼平と言えば歌舞伎俳優・二代目・中村吉右衛門…テレビシリーズではお馴染みの長谷川平蔵でありますが、残念ながら2022年に亡くなり、今回の映画化では甥にあたる十代目・松本幸四郎が鬼の平蔵を演じております。

 その若き頃の平蔵(本所の銕三郎(ほんじょのてつさぶろう)を幸四郎の息子・市川染五郎が演じるなど話題も豊富な作品となっています。

 幼馴染みは池波正太郎の大ファンでありますから、鬼平犯科帳や剣客商売などのテレビドラマは1本も欠かさず見たようでありますが、かくいうわたくしも亡き夫が鬼平ファンだったものでBSフジテレビで放送されていた鬼平は見たことがございます。

 密偵のおまさ(梶芽衣子)や彦十(江戸家猫八)、五郎蔵(綿貫勝彦)に粂八(くめはち・蟹江敬三)など頭に刷り込まれておりますからね、映画の冒頭では少し違和感がございました。

 ところが…さすが本格的な時代劇、見事な脇役(柄本明、北村有起哉、中井貴一、火野正平、中村ゆり、志田未来、松本穂香)の演技にも引き込まれ、あっという間の1時間50分でした。

 切れ味のいい殺陣も見応えがあり、時代劇の醍醐味を味わえました。

   

「面白かったねぇ~やっぱり鬼平は面白いなぁ~松本幸四郎だとちょっと若い感じで吉右衛門の貫禄には敵わないところがあったけど、歌舞伎役者が演じるとあんな感じになるのかなぁ~」

「吉右衛門の色気は品があって良かったよね。幸四郎はホント若さが目立ってたね」

「そうだよぉ~妻・久栄(ひさえ・仙道敦子)の方が年上に見えたもん!もう1回、原作読みたくなっちゃった」

「鬼平犯科帳」…あれは読み始めるとハマっちゃいますからねぇ~

 梅雨時に読むには良いかもしれません。

 映画が終わったのが13時ごろ…「なんか軽く食べて帰ろうか?」

「美味しいお弁当買ってサ、あーたんとこでゆっくり食べようよ。池波正太郎の本、貸してよ!」

 お弁当と言っても、横浜シウマイ弁当…まぁ~美味しいのは確実な弁当ではあります。

「ねぇ~夕飯のおかず、何にするの?」

「シウマイ食べながら夕飯のおかずなんて考えられないよ!新じゃががあるし…牛肉もあるから肉ジャガにでもしようかな?」

「うん!それ良いと思う!たっぷり作ってよ。うちの晩ご飯も肉ジャガにする」

 なんだ、それ!夕飯目当てのシウマイ弁当だったんかぃ?

 なんだか未消化のシウマイのまま、新ジャガを切り分けている自分が愛おしい!

 幼馴染みは納戸にこもって池波正太郎の本を漁っている様子…まったく ホント質の悪い確信犯ですよ!

「あぁ!いい匂い!肉ジャガが作れるとサ、嫁の貰い手が多くなるって昔は言われたもんだよね?」

「あーたは肉じゃが作らないのに、よく貰ってくれる人がいたよね!」

「そこは腕の見せ所よ」

「腕の使い方が違うだろうがっ!」

 わたくし、肉ジャガの玉ねぎだけはトロッとしたものが苦手でして、ジャガイモに串が刺さるようになってから後追いで煮ます。

「そう言えばサ、柄本明が演じた芋酒屋の亭主、あれは山芋だったけどジャガイモの芋つながりでいいね!」

「いいのはあーただけでしょ!なんでうちのジャガイモ、みっつだけなの?」

「うちはホレ!3人家族だから…」

 まだ冷めきらない肉ジャガをタッパーに入れて、幼馴染みは帰って行きました…ダウン

「また映画、行こうね」

「2度と行くもんか!」

 映画のラストで続編を匂わせるセリフがありまして、年に1本は「鬼平」が観られるかも知れません!

 楽しみであります!